深夜過ぎにはオスロワールド事務局の一階にあるバーで北極圏の先住民サーミ人の女性DJユニット、サーミ・コレクティヴによるサーミ伝統音楽を元としたエレクトロニック音楽のDJパーティーも開かれた。サーミの詠唱ヨイクは日本のアイヌの詠唱ウポポと似て、北国の厳しい自然や動物を模している。

 今回、僕が一番注目していたのは、11月1日木曜夜に登場した日本のグループ、民謡クルセイダーズだった。オスロワールドは彼らにとってヨーロッパでの初ライヴだった。

 会場のジャズクラブ「ナショナルジャズシーン」に到着するとすでに200人ほどの観客が入っていた。現地在住と思しき日本人もちらほら。10人のメンバーがステージに登場し、ラテンのリズムがスタートした瞬間から、オスロ子たちはガンガンに踊り始めた。すると、少々緊張気味に見えたメンバーの顔に笑顔が浮かび、演奏はどんどんグルーヴィーに弾けていく。アルバムがリリースされてからしばらく経っていたせいか、串本節やおてもやん、炭坑節、会津磐梯山、どの曲でもイントロが始まった瞬間に歓声が上がり、印象的なブラスのリフや「アラヨ〜イ」、「ヨイサ〜」などの掛け声、そして盆踊りの振り付けを真似る人までいた。メロディーは遠い日本の民謡であろうと、クンビアやブーガルー、レゲエなど、ラテンのリズムは世界共通言語なんだなあと改めて実感した。

 民謡クルセイダーズはオスロの後、ドイツやデンマーク、オランダ、イギリス、スペインなど、2週間弱で8箇所を回ることになっていた。この晩のステージを観て、彼らの初ヨーロッパツアーの成功は確信できた。

 

民謡クルセイダーズ、オスロに参上! みんな長時間のフライトの後なのに元気だなあ
民謡クルセイダーズを観るためにナショナルジャズシーンに集まっていたサーミ人のアーティストたち、右から二番目はサーミのロックンローラー、トルゲイル・ヴァスヴィク
民謡クルセイダーズ始まりました!
終了後の民謡クルセイダーズとスタッフたちを記念撮影。ボーカルのフレディさんが他のアーティストたちを見て、「世界中どこにも僕たちと同じことを考えてる人がいるんだなあ……」と。ええ、世界中、民謡を現代の音にするために楽しくもがいているアーティストばかりですよ!

 

■港町の魚介レストラン『Fiskeriet Youngstorget』

 さて、忙しいオスロワールドの隙間を見つけて、地元料理を食べに抜け出そう! 僕は初日の晩から、宿とフォルケティーテレト(人民劇場)と同じ建物の北側、ヨングストリゲ(青年市場)側の出口脇にあるお店『Fiskeriet Youngstorget(フィスケリエト・ヨングストリゲ=フィッシャー・ヤングスクエア)』に目をつけていた。

 というのもお店はガラス張りで、美味そうな牡蠣や蟹や海老や帆立貝、鮭の切り身などが巨大な冷蔵ケースに入って陳列されているのが外からも目に入ってきたのだ。ノルウェーの主要産業は水産業だし、北海道の釧路を思い出す北の港町オスロに来て、魚介を食べずに帰るわけにいかない!

 

(左)宿から出る度に見かけていたフィッシャー・ヤングスクエアの立て看板 (右)同店の冷蔵ケースに並ぶスモークサーモンやスモーク鱈、手前は鱈のハンバーグか?
(左)茹で海老に帆立貝、そして泥蟹の爪! (右)泥蟹の本体は鋏とは別々に陳列されていた!
北の鮮魚、マス、鱸、赤カレイ、鰊など