ノルウェー料理についてネットで調べると、高緯度で寒冷な気候のため、基本的に汗をかくことが少なく、中低緯度で高温多湿な国と比べて塩分を取る必要がないという答えが見つかった。その答えに納得してみたものの、地元の人たちは本当に塩が足りないままで満足出来るのかな。この宿に7泊もするのに、朝食に全く味がしなかったら嫌だなあ……と思いながら、一階の朝食サロンに降りると、目の前に広がる光景を見て、僕の心配は一瞬で吹っ飛んだ。


 おお、見たことないチーズがずらっと並んでるぞ! ハムやサラミ、スモークサーモン、ニシンの酢漬けも何種類もあるし、ジャムやマーマレードも沢山! その他、見たことのないライ麦パンをはじめ、パンも数種類! あらゆる北欧の伝統的な保存食が並んでるじゃないか! ジュースやスムーチーやコーヒーや紅茶も何でもあるし、フルーツにケーキ、オムレツやベイクドビーンズなどの普通のコンチネンタル・ブレックファストのコーナーもあるし、もしかして、ここは天国か?! タンペレの四つ星ホテルの朝食ブッフェも地元料理のバリエーションがすばらしかったが、この宿はそれ以上だ! 


 興奮を抑えながら、お皿が置かれたテーブルの写真、そして一つ一つの料理の写真を撮影し、次に平皿を取り、一つの料理を取りすぎないように細心の注意を払いながら、配置良く料理を盛り付け、まだ太陽の光が届かない薄暗い席に着いて、料理を頬張った。

 

翌朝8時に一階の朝食ブッフェに来た。この遠景の写真だけで美味そうな雰囲気が伝わってくるでしょう?
この一角に並んでいるのはケーキとフルーツ。食べ物は逃げたりしないから、まずは落ち着いて!

 

 まずは最も北欧らしいスモークサーモンから。大きな鮭を3枚におろした半身をそのまま冷燻しているのでとにかく身が大きい。それをスライサーで3mmくらいの極薄にスライスしてある。お皿にのせると下に置いた料理が透けて見えるほどだ。プレーンなスモークと、スモークしてから、ディルの葉入りのはちみつマスタードソースを塗りたくったものの二種類。プレーンなものは日本のスモークサーモンと刺し身の中間くらいのフレッシュ具合だ。そしてはちみつマスタードソースのほうは甘辛な味とディルの青臭さが加わり、一発で癖になりそう。いずれにせよスライス一枚が日本のものより遥かに大きいのが良い!

 

スモークサーモン二種。手前はディル入りのはちみつマスタードソースがかかってる。スライス一枚がちょうど日本の生姜焼き用の豚ローススライスくらいの大きさなのだ!

 

 ノルウェーでは畜産がほとんど行われてないらしいので、パストラミビーフや生ハムなどの加工肉は、近隣諸国からの輸入品だろうが、地元名物のコケモモやクラウドベリーのジャムをかけていただけば、もうこれはノルウェー料理と呼んでも良いでしょう!

 そして初めていただいたのがスモークサバ。3枚におろしたサバの表面に胡椒やパプリカを散らしてスモークしたものだが、タンペレで食べたスモークサーモンと同じく、冷燻ではなく温燻されていて、完全に中まで火が通っている。ちょうど日本のサバそぼろのアダルト版と言いましょうか。どこか懐かしい味なのに、ちょっと大人っぽい感じ。これも美味い!