写真/仲程長治 文/シマネコキネマ


 7月に続いて、どこかスタイリッシュな雰囲気を纏った宮古の猫たちをご紹介しよう。

 まずは、宮古島と橋で繋がっている池間島。人がいるところ=猫がいるところなので、ミャークヅツという伝統行事(豊年祭)が行われる公民館前の広場から集落を歩いてみた。池間島はカツオ漁と民俗学で知られる島で、あちこちに拝所や御嶽が残っている。集落では猫除けのペットボトルが置かれた家を何軒か見つけたが、島猫には容易に出会えなかった。時間帯が悪かったのかな……と諦めかけたとき、足元を黒い影が走り抜けた。

 

庭先に網が干された漁師の家で、ママチャリを影にしてくつろぐ

 

お墓の石垣の上に座り、ずっと小鳥を狙っていた島猫

 黒い影が飛び込んでいった緑の中を覗いてみると、黒と白の2匹の猫がこちらの様子を伺っていた。外側から見るだけでは全くわからないのだが、その緑の空間は台風で倒れたのであろう朽ち木や、苔むした琉球石灰岩に草木が絡まり合っていて、なんとも神々しい雰囲気に包まれていた。人の暮らしのすぐ近くにありながらも、人の世界とは別次元のようなこの場所で、きっとこの島の猫たちは恋をし、子どもを産み、傷を癒し、そして静かに死んでいくのだろうなと感じた。

 

伊良部島の海人猫。港の船の影から漁師たちの作業を見守っていた

 

昼寝から目覚めたばかり? うつろな眼差しの昼下がりの猫

 お次は、こちらもカツオ漁で有名な伊良部島へ向かう。佐良浜漁港の、どこか異国の港町の風情が漂う集落では、港を見渡せる高い場所で昼寝をするボス猫や、おこぼれの魚で暮らす母子など、たくさんの島猫たちに難なく出会うことができた。

 数年前までは宮古島から船でしか渡れなかった島だが、伊良部大橋が架かったことで、のどかな島の風景は良くも悪くも変わり始めている。それでも、島猫たちの海辺の暮らしが変わらずに営まれていることに、少しだけ安堵して島を離れた。

 

コンクリートに体温を吸収させて、風通しの良い場所で夏を乗りきる

 

視線を感じて見上げてみると、ボスにじっと見られていた!

 

人の気配を感じて路地裏に逃げるが、一度は振り返ってみる

撮影協力・日本トランスオーシャン航空

*日本全国で「さくらねこTNR」の活動を広げている公益財団法人どうぶつ基金の新作絵本冊子「さくらねこ」の制作をシマネコキネマが担当しました。以下よりぜひ、e-bookをご覧ください。

https://www.doubutukikin.or.jp/sakuraneko_ebook/HTML5/pc.html#/page/1

 

*シマネコキネマの公式インスタグラム(今日の「ニャンくるにゃいさ」配信中)
https://www.instagram.com/shimanekokinema/

*本連載は毎月22日(=ニャンニャンの日)に配信予定です。次回もお楽しみに!

 

島猫と歩く那覇スージぐゎー
島猫と歩く那覇スージぐゎー

ウチナーンチュ2世として大阪に生まれ、沖縄に移住して17年の著者が、猫とともに案内する那覇スージぐゎー。桜坂、栄町広場、ニューパラダイス通り、牧志、泊、天ぷら坂、壺屋通りなど、懐かしくて新鮮な路地裏を散策する。路地裏の島猫フォト〈写真:仲程長治〉&イラストマップ〈猫スポット付き!〉収録。