写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 


 久米島は沖縄本島の西に浮かぶ離島。絵に描いたような青い海と白い砂が広がるハテの浜など風光明媚な風景が多く、琉球でいちばん美しい「琉美(くみ)の島」という別名もある。

 泥染めの光沢が美しい久米島紬、豊富な湧き水を使った美味しい島酒(泡盛)の名産地としてもよく知られており、これまでも取材で幾度も訪れているのだが……実は、猫に出会った記憶はほとんどなかった。那覇から船で3時間半の旅を経て港に降り立ち、アテのない島猫探しがスタートした。

 

のどかな島の昼下がり。歩道はオレたちのものとばかりに寝そべる島猫たち
福木の間から来訪者をじ〜っと観察。お昼寝の邪魔をしてゴメンナサイ


 まず、「なんとなく、どこかの展望台の駐車場で猫を見たような気がする」という頼りない記憶を辿って、島の北側にある絶景スポット、比屋定バンタへと向かった。しかし、猫がいる気配はまったくない。売店のお姉さんに聞いてみると、「猫? 多いですよ。あちこちにいますよ〜」というお返事。その言葉を信じて、人の暮らしに寄り添う姿を求めて集落へ向かうと、ほどなく広い歩道の真ん中でくつろぐ二匹を見つけた。やはり港近くの集落や観光地の駐車場は島猫に出会う確率が高い。

 

イーフビーチの近くで出会ったきょうだい猫。どこへ行くのもずっと一緒
この辺の猫たちの共用ネイルサロン。かぎしっぽの黒猫に続いて、みんなで研いでいた
この辺の猫たちの共用ネイルサロン。かぎしっぽの黒猫に続いて、みんなで研いでいた

 

 あちこちを回りながら10匹ほどの猫を撮影するうちに、あることに気がついた。久米島の猫は、目がぱっちりとした美しい顔立ちの猫が多いこと。そして、しっぽが切れていたり、曲がっている猫が多いこと。

「かぎしっぽ」といえば長崎の猫が有名だ。江戸時代、オランダとの交易が行われていた長崎に、かぎしっぽの遺伝子を持った猫が東南アジアや中国から渡来したことがその一因だという。そしてここ久米島にも、中国との交易で栄えていた歴史があり、琉球王府時代には進貢船の中継地でもあった。もしかすると長崎と同じように、かぎしっぽの遺伝子を持った猫が海を渡ってやって来たのかも知れない。

 

アカバナーのお庭にいた母子猫。お母さんはかぎしっぽだった
チャトラの短いしっぽに、島の歴史ロマンが潜んでいるかも知れない

*日本全国で「さくらねこTNR」の活動を広げている公益財団法人どうぶつ基金の新作絵本冊子「さくらねこ」の制作をシマネコキネマが担当しました。以下よりぜひ、e-bookをご覧ください。

https://www.doubutukikin.or.jp/sakuraneko_ebook/HTML5/pc.html#/page/1

 

*シマネコキネマの公式インスタグラム(今日の「ニャンくるにゃいさ」配信中)
https://www.instagram.com/shimanekokinema/

*本連載は毎月22日(=ニャンニャンの日)に配信予定です。次回もお楽しみに!