写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

 

〈番外編〉台湾 猴硐猫村〈1〉

 世界屈指の猫スポットとして有名な、台湾の猫村こと猴硐(ホウトン)。沖縄で野良猫の保護活動をしている人たちから「台湾の猫村はすごい」とか、「地域猫の一歩進んだ在り方だ」という話を聞いていたこともあって、いつか訪ねてみたいと思っていた。

 台北は那覇から1時間強のフライトで行けてしまう都市なので、距離はもちろん、気候も気持ちも東京よりずっと琉球に近いのだ。猴硐までは台北駅からローカル電車に揺られて約50分ほど。どこか懐かしい雰囲気の駅に降り立つと、そこは猫好きにとって文字通りの「ワンダーランド」であった。

 

山々に囲まれた猴硐。かつては炭鉱の村であったが、今は猫の村
人だかりの先には猫がいる。観光客のお相手はお手のものだ
昼寝をしたり、木登りしたり。猫らしい日常を過ごすことが猫たちのお仕事

 

 猴硐の「猴」は「猿」という意味なのだが、駅もお店も猫、猫、猫だらけで猿は見当たらない。あらゆる展示物や造形物のモチーフは猫であり、駅に架かる橋までもが猫のカタチをしている。駅舎や集落内にはあちこちに猫のエサ台や寝床が用意されており、観光客に向けて猫のエサも売られていた。(ただし、ほとんどの猫はお腹が満たされていて、エサを欲していないようだ)

 この村の主役である猫たちも自分たちの果たすべき役割を十分に心得ていて、撮影モデルから遊び相手まで観光客のニーズにしっかりと応えている。といっても、あまりベタベタされるのは好きではないようで、しつこい相手には爪の制裁を加えたりそっぽを向いたりと、自由気ままに過ごしていた。養われていようとも人に媚びることなく適度な距離感を保っているあたりは、さすが猫様である。

 

村内にはあちこちに猫の餌場や寝床が用意されている。まさに至れり尽くせり
猫カフェがずらりと並ぶ一角。猫好きだったら1日いても飽きることはない
カメラを向けると「ちょっと待って、はいどうぞ」とばかりにポースをとる猫も多し