空気がきんと冷えるころ、色づいた葉っぱは散り、サザンカが、椿が咲き、センリョウは控えめに実をつけていく。

 コロナ禍の先は見えず、Gotoトラベルにも振り回された2020年が終わり、新しい年がやってきた。
 庭の様子が変わるたびに皆さんにお見せしたいとSNSに写真をあげてみたりもしたけれど、やっぱり、旅も庭も直接体験するのに越したことはない。

 いろんな花が咲いたけど、あんまりお客様に見てもらえなかったね。

 水やりをしながらなんとなく庭に話しかけてみる。

 世の中とは関係なく、春を迎えるころには紫蘭の新芽が苔の間から顔を出してきた。こうやって四季が巡り、いろんな心配をしながら年月を重ねていくのかな。

 庭はええもんじゃのう。

 庭いじりが趣味のおじいちゃんみたいに、ひとりうなずいてみるのだった。

町家の庭にはサザンカ、センリョウの庭には椿。厳しい京都の冬に強く暖かい色の花が咲くのは、自然の配慮という気もする

 

 さて次回は別邸内装のお話。前回は寝込んだほど悩んだ床の間のしつらえ、今回はどうする!?

(次回に続く)

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MACHIYAshoei
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