文と写真・田島麻美

 

 ヨーロッパ各地で記録的な猛暑が続いている今年の夏。ローマも例外ではなく、かつての涼しく快適な地中海性気候がまるで幻だったかのような蒸し暑い日が続いている。気持ちも体もバテ気味の毎日で心配になるのが体調管理。暑さで食欲も減退気味だが、しっかり食べないと体力が持たないというジレンマに陥っている。イタリア料理、特にローマ料理といえばすぐに思い浮かぶのがカルボナーラやアマトリチャーナなどこってりソースが特徴のパスタだろうが、こんなヘビーな食べ物をこの暑さの中で食卓に並べる家庭は少ない。では、イタリア人は夏はどんな料理を食べているのだろうか? 
 そんな声にお応えするべく、今回は一般的なイタリア家庭の食卓に並ぶ夏の定番料理を5品、簡易レシピ付きでご紹介しよう。出来るだけ火を使わず、簡単に作れるだけでなく、冷たくすると一層美味しくなるので一度にたくさん作って冷蔵庫で保存しておくこともできる。具材のアレンジも自由自在な料理ばかりなので、ぜひ日本のご家庭でも試してみて欲しい。

 

1. Pasta Fredda / パスタ・フレッダ(冷製パスタ)

 

イタリアの食卓に上る頻度がとても高いのが「パスタ・フレッダ」。海に繰り出す家族づれは、必ずと言っていいほどタッパーにたくさんのパスタ・フレッダを詰めて出かける。作り方もとても簡単。トマトやオリーヴ、モッツアレッラ・チーズ、バジリコ、キュウリなど、好きな食材を細かく切ってオリーヴ・オイルと塩で和え、そこに茹でたパスタを加えれば出来上がり。コツは茹で上がったパスタを即座に冷水で冷やすこと。お湯から上げたままにすると余熱でパスタがぐにゃぐにゃになってしまうので、冷水をくぐらせてアルデンテを保つようにする。パスタの種類はペンネやファルファッレが定番。最も一般的な具は、トマト、バジリコ、モッツアレッラ、オリーヴ、ツナ缶だが、ファンタジーの数だけアレンジも広がるのがこの料理の楽しいところ。シーフードのマリネを加えたり、日本の夏野菜と合わせたり、ご自宅の冷蔵庫と相談しながら創意工夫でオリジナルの一皿を作ってみてはいかがだろう。

 

*参考レシピ* <材料:二人分>・ショートパスタ(ペンネ、フジッリ、ファルファッレなど)160〜200g ・トマト150g ・バジリコ4枚 ・モッツァレッラチーズ100g ・黒オリーヴの実 適量 ・ツナ缶1・塩少々・オリーヴオイル大さじ2(お好みで香りづけにニンニクを加えてもOK)

 

<作り方>1・鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩を入れてパスタをアルデンテに茹でる 2・パスタを茹でる間、ボウルに好きな具材をサイコロ大に切って入れ、塩とオリーヴオイルで下味を付けておく。ニンニクで香り付けをしたい場合は、事前にニンニク一欠片を半分に切ったものをオイルに浸し、味付けの際にニンニクを取り出しオイルだけ使う 3・茹で上がったパスタを冷水で冷やし、水をよく切って2のボウルに入れて混ぜれば出来上がり

 

2.Insalata di Riso / インサラータ・ディ・リーゾ(ライスサラダ)

 

1のパスタ・フレッダと同じくらいの頻度で食卓に登場するのがインサラータ・ディ・リーゾというお米のサラダ。これもアレンジ自在の一品で、カットした生野菜と和えても良し、シーフードや鶏肉、ツナやサバ缶などとも相性がいい。パスタ・フレッダのパスタをライスに変えて、味付けにリンゴ酢を少し加えるだけでOK。お米は時間を置いても芯が残る「アルボリオ米」を使うのがベストだが、なければ日本米を研がずに少し固めに茹でるか、タイ米などでも代用できる。アルボリオ米とはリゾット用の米としても知られているイタリアの短粒米で、調理してもコシが強いのでアルデンテの歯ごたえが楽しめる。お米は洗わずに芯が残る程度まで茹でてから冷水で洗ってぬめりを取り、1と同様に用意しておいた具材と合わせ、オリーヴオイル、塩、酢で味を整えれば出来上がり。イタリアのスーパーで売られているライスサラダ用のコンディメントがあれば更に簡単で、お米を茹でて混ぜるだけで完成する。スーパーには種類豊富なコンディメントがたくさん売られているので、旅行の際にはぜひのぞいてみて欲しい。

 

*参考レシピ* <材料:二人分>・アルボリオ米150g・トマト80g ・パプリカ40g ・オリーヴの実 適量 ・コーン、グリーンピース、チャイブ、人参、キュウリ、ツナ缶、鯖缶などお好みで ・塩少々・オリーヴオイル大さじ2・リンゴ酢大さじ1

 

<作り方>1・鍋にたっぷりのお湯を沸かし、米を洗わずにそのまま入れてアルデンテに茹でる 2・お米を茹でる間、ボウルに好きな具材をサイコロ状に切って入れ、塩・オリーヴオイル・リンゴ酢で下味を付けておく。甘酸っぱさが欲しい場合はリンゴ酢に砂糖を少々加える。ピクルスや玉ねぎの酢漬けなどをそのまま切って使ってもOK 3・茹で上がったお米を冷水で洗ってぬめりを取り、水をよく切って2のボウルに入れて混ぜれば出来上がり