素朴な美味しさが詰まった郷土料理と特産品

 焼け付くような陽射しが襲いかかってきた正午過ぎ、日陰を求めて広場のバール兼トラットリアに駆け込み、そこでゆっくりランチを取ることにした。テラス席について冷たい水を飲み干し、まずはほっと一息。ウエイターのお兄ちゃんオススメの郷土料理は私の大好物のイノシシのパスタということで、迷わずそれをオーダーした。運ばれてきた「パッパルデッレ・アル・チンギアーレ」はハーブをふんだんに使って煮込んだソースで、文句のつけようがない美味しさ。このエリアにはイノシシがたくさん生息しているらしく、イノシシがいる所には美味しいキノコやトリュフがあるので、トリュフ料理なども村の伝統の味として親しまれているとのことだった。イノシシのパスタで満腹になり、消化促進を兼ねたデザートのレモンシャーベットを平らげると、知らず知らずのうちに眠気が襲ってきた。このまま座っていると、夕方まで気持ち良く寝てしまう事態は避けられない。同じくうとうとし始めた友人を叱咤激励し、意を決して席を立った。

 

 村を離れる前、今朝見かけて気になっていたヴィッラの近くの特産品のお店に立ち寄ることにした。店内には、エトルリア時代の装飾をモチーフにした小物やアクセサリー、トゥーシアの伝統菓子やリキュール、自然派化粧品などがたくさん並んでいる。店員のお姉さんによるとトゥーシアのヘーゼルナッツの収穫量はピエモンテに次いでイタリアで2番目に多いのだそうで、ヘーゼルナッツをふんだんに使ったお菓子やチョコレートはこの土地の特産品なのだそうだ。優しい甘さの素朴な焼き菓子とパスタソースを購入し、帰宅してからじっくり楽しむことにして車に乗り込んだ。今まで知らなかったことをたくさん発見できたバニャイア探訪に大満足しながら、猛暑のローマを目指して帰路に着いた。

 

毎度おなじみの絶品パスタ「パッパルデッレ・アル・チンギアーレ」。もう何度もご紹介しているが、これがあるとどうしても頼んでしまうくらい大好物なのでお許しいただきたい(上)。冷たくて酸っぱいレモンシャーベットは夏のデザートの定番(中)。トゥーシア地域の伝統菓子「トッツェッティ」。フィレンツェの「カントゥッチ」と同じだが、このエリアではアーモンドではなくヘーゼルナッツを使用している(下)。

★ MAP ★

 

<アクセス>

ローマから車でA1〜E35〜E45経由、約1時間半。
メトロA線フラミニオ駅下車、隣のAtacの鉄道ローマ・ヴィテルボ線で2時間半。ヴィテルボの一つ手前の駅がBagnaia/バニャイア。駅から旧市街までは橋を渡って行く。徒歩5分。
Trenitaliaの鉄道を利用する場合はテルミニからヴィテルボ・ポルタ・フィオレンティーナまで各駅電車で約2時間〜2時間半、ヴィテルボからバスに乗り換えバニャイアまで約15分。ヴィテルボ=バニャイア間は5km 程しか離れていないので、タクシーでも10分程度で着く。バスの乗り継ぎが悪いようだったらタクシーを利用する方が便利。

 

<参考サイト>
ヴィッラ・ランテとバニャイア情報(伊語)
http://www.infoviterbo.it/villa-lante.html
ヴィッラ・ランテ開園時間情報(伊語)
http://www.polomusealelazio.beniculturali.it/index.php?it/243/villa-lante

*館のガイド付き特別見学は火曜から金曜と日曜の12時から(一日1回)と、土曜の11時、12時、15時半、16時半の4回、毎年7月は毎日4回行われている。予約制で1回最大25名まで、料金はヴィッラの入場料5€に含まれている。

 

 

「ブーツの国の街角で」vol.67 (2019.08.22)