古来より活力溢れる日本男児をいろんな意味で魅了してきた親子丼ですが、今回のテーマは「夏のおつまみ」ということなので、記者が長年冷やしてきた「ニュー親子丼」をご紹介したいと思います。こちらです。


「玉子豆腐×焼き鳥の缶詰」

 

   この時点で「これはのエサなんじゃないのか?」と眉間にシワを寄せている方も少なくないかもしれませんが、食べてみたらあら不思議。昭和の懐かしい味が、お口いっぱいに広がるではありませんか。
 そもそも玉子豆腐も焼き鳥の缶詰も、単品で考えれば貧乏学生にはなかなか手が出ないシロモノ。ひと昔前なら、一家の大黒柱であるお父さんの食卓にしか上がらなかった贅沢品なのです。
 かくいう記者も酔ったオヤジに「食ってみろ、飛ぶぞ!」的なことを言われて口にしたのが初めてのこと。それ以来、美女を侍らせながら、この二品を食うことだけを夢見て決死の思いで勉学に勤しんだものです。
 そんな二品にぴったりの酒はやはり日本酒。できれば常温のワンカップで召し上がっていただくことをお勧めします。黄昏時に夕日を見ながら一人でちびちびとやれば、これまでしでかしてきた数々の思い出が走馬灯のように駆け巡り、忘れかけていた「あの日の自分」を取り戻すことができるでしょう。
 なお、玉子豆腐のほうには、ふるさとの食材を添付すると、いっそう趣深い味になります。納豆然り、キムチ然り、とろろ芋然りで、嘘のように何にでも合いますので、ぜひ試してみてください。
 また、両者にはすでに味がついておりますので塩分の取りすぎにご注意を! 事故防止のため、焼き鳥缶は温めずにお召し上がりください。

 

文・写真/蛇光院包(記者)