文と写真・サラーム海上

 

イスラエル南部の港町、アシュドドの老舗シーフードレストラン

 2019年11月21日金曜、イスラエルの音楽アーティストの見本市『International Showcase Music Festival』は3日目。前日はエルサレム旧市街散歩とホモスの銘店『Lina(リナ)』でのランチの後、午後3時から午前1時まで、途中休憩を挟みながらも9組のライブを観た。

 トルコやコーカサス諸国に伝わる擦弦楽器ケマンチェの奏者Mark Eliyahu(マーク・エリヤフ)を観たのは三度目。超イケメンの彼はすすり泣く声のような音色のケマンチェでロマンティックな旋律を弾き、以前から人気を集めていたが、今回はキーボード主体のバンドを従えてドラマティックなサウンドでハリウッド映画サントラのような世界を作り出していた。「イスラエルのイケメン葉加瀬太郎」とでも呼ぼうか。

 四ヶ月前にイスタンブルで観たばかりだったイラン系女性歌手兼女優のLiraz(リラズ)は、その後のヨーロッパツアーで自信を付けたのか、短い間に別人のようにステージパフォーマンスが上手くなっていた。イスラム革命以前のイランの歌謡曲から影響を受けた彼女の曲は、新たにサイケデリックロック的なアレンジが施され、パワフルに生まれ変わっていた。

 初めて観たアーティストではRon Minas Trio(ロン・ミナス・トリオ)が素晴らしかった。長い山羊髭を真っ青に染めたロンがステージ上でヘビーメタルなギターをしばし弾きまくり、観客を混乱させた後、そのままピアノに移動して、トリオ編成でザ・バトルズとティグラン・ハマシアンを足したような中東悶絶ポスト・ロックを演奏したのだ。いやあイスラエル音楽は本当に面白い!

超イケメンのケマンチェ奏者マーク・イェリヤフ
イラン系女性歌手リラズ。Apple TVのスパイドラマ『テヘラン』でも重要な役を演じている
青く染めた山羊髭のロン・ミナス