文と写真/岩立沙穂AKB48

 

 小学生くらいの頃、周りにはカレーが好きな子が多かったのですが当時の私はその魅力に気づいていませんでした。だからカレーと聞いても全くテンションは上がらず…それが今では思い浮かべるだけで早く家に帰りたくなります。そのきっかけは"激辛"でした。

 我が家は父以外辛いものが得意で、ハバネロや辣油といった辛そうな調味料を見つける度に買ってきて、色々な料理に大量にかけて食べていた時期もありました。その頃を経て母が作るカレーがとてもスパイシーになったんです。こだわりは色々なメーカーのルーをブレンドすること、ニンニクとしょうがを入れること、食べる前日までに作っておくことだそうです。あとはその時の気分で目についたものを入れているそうなので、確かに味は定まってはいないのですが、すごくスパイスが効いていて、うちの換気扇からインド料理屋さんと同じ匂いがしてきた時は流石に笑いました。

 
母が作るスパイシーカレー

 

 カレーといえば、いつも周囲の人にオススメしている駅弁があります。九州の有田駅の「有田焼カレー」です。これはマネージャーさんにも大好評でした。地元名産の佐賀牛をしっかり煮込んだカレーに、こだわりのチーズをのせて焼き上げた本格派で、器は有田の陶芸作家さんによるものだそうです。

 初めて食べたのは2019年で、京王百貨店の駅弁大会で購入しました。駅弁大会には2016年から足を運ぶようになり、「有田焼カレー」も毎年チラシに掲載されていたのでずっと気になっていたんです。食べてすぐに結構スパイスが効いているなと思いました。櫻井寛さんの著作『にっぽん全国100駅弁』には「28種類ものスパイスを用いた芳醇な香りが鼻孔をくすぐる」と紹介されていましたが、まさにその通りです。固形の具はないので、溶け込んだ具材の甘みとスパイスの刺激が口の中に広がってとても濃厚に感じられました。それに負けないお米の粒の存在感も印象に残っています。

 櫻井さんとは今年の1月に京王百貨店の駅弁大会の会場で「食べて応援しよう!ニッポンの駅弁」と題した櫻井さんの写真展を取材させていただき、コロナ禍で苦境に立つ駅弁業界を食べることで盛り上げていこうと意気投合しました。じつは昨年もこの「TABILISTA」で対談させていただいていて、監修をされている漫画『新・駅弁ひとり旅』に登場する九州駅弁の魅力をたくさんお聞きしたんです。当然「有田焼カレー」の話にもなり、とても食べたくなったのを覚えています。

 東京では九州の駅弁はなかなか入手できないので、今年に入ってからはお取り寄せもしました。冷凍で届いた「有田焼カレー」を電子レンジにかけるべく箱を開けると、一枚の紙が。そこには冷蔵庫で1日かけてゆっくり解凍してくださいと書かれていました。もう完全にカレーを食べるモードになっていたので、このお預けはかなり辛かったです。他の冷凍駅弁にこのような注意書きはなかったので、器が有田焼であるが故なのでしょう。しかと胸に刻みました。

 そしてこの器、干支の柄がとても可愛いんです。亥年と丑年のものをもっています。食べ進めていくと色んな柄が見えてくるので、今年はどんな柄が出てくるのだろうと楽しみでした。今年(丑年)の器のUFOにさらわれそうになっている牛の絵が特にお気に入りです。しっかりした器なので、食べ終わってからも食卓で大活躍しています。次に買う時は小さいサイズのものを狙おうと思っています。

 

有田焼カレー(左)とお気に入りの器(右)

 

にっぽん全国100駅弁 ~鹿児島中央駅から稚内駅まで~
にっぽん全国100駅弁 ~鹿児島中央駅から稚内駅まで~

九州から北海道まで、日本列島を南から北へ。「百年の旅物語かれい川」から「最北海幸めし」まで100駅弁。現在駅弁が販売されている45都道府県すべて網羅!!シリーズ累計100万部突破の大人気コミック『駅弁ひとり旅』の櫻井寛が涎を垂らしてお届けする駅弁ファン待望の一冊。


「有田焼カレー」公式通販サイト(有田テラス)

 

【岩立沙穂(AKB48)×櫻井寛 駅弁偏愛トーク】(動画アリ)を読む。
 

 

【リレーエッセイ「スパイス・カレー編」】
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「京都で和のスパイス黒七味にどハマり!」サバラン昭子(編集部)