■COREDO室町から人形町の路面店へ

 

 「おちゃらか」をオープンしてから15年。日本茶を世界のソフトドリンクにするための私の物語が始まってから15年。東京の郊外、吉祥寺の商店街から始まった「おちゃらか第1章」。日本橋の真新しいビルに拠点を移し、海外への発信力を強化した「おちゃらか第2章」。そして、私の好きな東京の下町で「おちゃらか第3章」へと続く物語を止めるわけにはいかなかった。

 5月、緊急事態宣言は解除された。だが「おちゃらか」はCOREDO室町での再開はせず、9月に予定していた移転を前倒しすることに決めた。とはいえ、期間内の契約解除にはそれなりの費用が発生し、退去時の原状回復にも1千万円単位の金額がかかる。頭を抱えた。COREDO室町の運営会社と掛け合った。その結果、退去のための出費を最小限に抑えることはできた。

 

 新店舗の場所は、人形町に決めた。都心に近く地下鉄や車でのアクセスがいいことに加え、店舗と住宅とオフィスが混在している。地域のつながりと下町情緒が生きていて、料理の名店も多いまち。江戸と東京をつなぐまち。伝統と今がつながるまち。人形町の路地に似つかわしい「日本茶屋さん」のイメージをふくらませ、沈みかけた心が浮き立った。

 イメージ通りの物件が見つかるのに時間はかからなかった。地元の不動産屋さんが、ぴったりの物件を見つけてくれた。人形町の路地の一角の路面店。周囲は住宅や飲食店。地下鉄の水天宮駅からも徒歩5分以内。

 問題は、審査に通るかどうか。このご時世、外国人で資産もない私に貸してくれるだろうか。心配はいらなかった。大家さんと面談したら意気投合。フランスにも縁のある素敵なマダムが「外国人にも紹介しやすい日本茶店」のオープンに大賛成してくれた。

 あっという間に契約まで進み、5月末には新店舗への引っ越しができると思ったのだが……。実際のオープンは、それから2カ月遅れ、7月26日に。そのあたりの私の奮闘と新店舗の様子はまた次回

 

2020年夏、人形町の新店舗にて。内装はまだ途中の状況だが、営業を開始した。

【新店舗】

東京都中央区日本橋人形町2-7-16 関根ビル1F
(東京メトロ日比谷線、都営浅草線「人形町」駅 A3出口)

おちゃらかHP(オンラインションップ併設)はこちら

 

■おちゃらかチャンネル(YouTube)はじめました。

 

編集協力/田村広子、スタジオポルト


「ステファン・ダントンの茶国漫遊記」vol.59(2020.10.21)