■仏作って魂入れず

 

 日本には、形ばかりに囚われて本当の意味をないがしろにすることを戒めることわざがたくさんある。日本人が「本質を大事にしないと意味がない」ということをいつも肝に銘じながら仕事に取り組んできた証だと思う。

 私にとっての日本茶の普及の本質は、日本各地の茶畑で、生産者が真摯に生産した日本茶を、より多くの人に飲んでもらうこと。日本茶にまつわる文化は、日本茶の普及をけん引する存在。だから、現在の「形」を伝えることに偏向した日本茶文化の発信と、経済優先の日本茶生産の間で、本当の日本茶文化の源がどんどん萎んでいきはしないかと心配している。

 フランスから来た外国人の私にいわれるまでもないことかもしれない。でも、抹茶ケーキを食べながら、ペットボトルの緑茶を飲みながら考えてほしい。

  

日本茶という大事な文化の源はどこにある? 

それを守るために何をすればいい?

 

お茶の源である「芽」

 

 おおざっぱに列記したが、日本橋の『おちゃらか』には実に多くの国のお客様が来る。彼らと話しながら、それぞれ異なる彼らの嗜好をはかり、好みそうな茶葉を好みそうなタイミングと方法で提供するのが本当におもしろい。

 日本橋で店に立ってさまざまな国からの旅人を出迎えることで、それぞれの国の人たちが日本に何を求めているのか、なんとなくわかってくる。それをもとに世界に向けて日本茶をいかに普及させていくか、考える日々だ。

 売りたいものを売るんじゃない。欲しがっているものを提供したい。それが私の考え方だ。

 

日々、日本茶普及の本質を考えている

 

写真/ステファン・ダントン 編集協力/田村広子、スタジオポルト

「ステファン・ダントンの茶国漫遊記」vol.47(2019.4.1)

【新店舗】

東京都中央区日本橋人形町2-7-16 関根ビル1F
(東京メトロ日比谷線、都営浅草線「人形町」駅 A3出口)

おちゃらかHP(オンラインションップ併設)はこちら

 

■おちゃらかチャンネル(YouTube)はじめました。