新大久保スパイス最強マップ」
計20軒を確認。1軒がさらに新規開店工事中。各店に簡単なコメントも添えました

 

 スパイスカレーがブームらしい。エスニック食材店でスパイスを買い込んで自作を楽しむ人も増えているそうだが、考えてみれば僕の住む新大久保は南アジア系食材店の宝庫だ。そこで実地調査を兼ねて街を歩き「新大久保スパイス最強マップ」をつくってみた。

 

 南アジア、西アジア系のスパイスを扱う店を数えてみれば、実に20軒もの店が乱立しているのであった。このすべてがハラルショップだ。ハラルはイスラム教の教えで「許された」ことを意味するが、お客はさまざまな宗教・民族の人々が出入りしていて面白い。

 経営しているのはインド人、バングラデシュ人、ネパール人に占められている。ネパール人はヒンドゥー教の人が多いし、ハラルを扱うのはイスラム教徒にもアピールして取り込もうというビジネス的な意味が強いのだろう。

 で、スパイスカレーの基本たる「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「レッドペッパー」の相場を調べてみた。

 どれも100g200円が相場だろうか。個人ではなかなか使いにくい400-500gのビッグサイズも目立つ。同じ商品でも店によって値段がやや異なるし、ブランドもさまざまだ。輸入元もやはりインド、バングラデシュ、ネパール、それにトルコなどが入り混じる。しかし、店によっては品切れがあるし、スパイスにそれほど力を入れていないところもある。パウダースパイスはあるけれどホールがないとか、とにかくまちまちなのであちこち買い歩くことになるのだが、それが楽しいのだ。ナゾの食材やスパイスと出会うこともある。

 僕のこの日の戦利品は「ティムール・チョップ」というネパールで人気のスパイス。山椒のような風味が特徴だとか。これにニンニク、ショウガ、チリと塩を加えたもので、いろんな使い方ができそうだ。

 こうして新大久保では、あっちの店こっちの店と品揃えや値段を比べながらうろうろする人が多いことから、街全体を指して「市場」と呼ぶ外国人もいる。そして彼らの故郷の市場がそうであるように、常に価格や仕入れの競争が繰り広げられている。それにいまでは新大久保以外の地域でもエスニック食材店が増えているが、新規オープンを考えている外国人はまず新大久保にやってきて、市場調査をするのだという。どんな店のどんな商品が売れ筋で、値段はどのくらいか。そんなことをチェックして、参考にするそうだ。新大久保はいまや外国人商人の街なのだ。

 日本人が入りやすく、品ぞろえがよく、手に取りやすい日本語表記の商品が多い店は、アンビカ、ナスコ、ジャンナット、ミラマート、MB、グローバルバザールあたりだろうか。どこも日本語は通じるし、店員は親切。

 なお新大久保にはこれらハラルショップのほかに、中華、ベトナムタイインドネシア韓国の食材店もある。もちろん各国レストランもたくさんあるので、旅行気分に浸りにぜひ来てほしい。

 

ホールスパイスの数々。どう使うのかわからないものは店員に聞いてみよう
けっこう大きなサイズが多いので初心者は小さめのものを探そう
思わず買ってしまった「ティムール・チョップ」はネパール産
こんな小さなエスニック食材店が新大久保には点在する

併せて読む→「新大久保の多国籍テイクアウトで国境を越える」(2020.5.13)

 

【リレーエッセイ「スパイス・カレー編」】
前の記事はコチラ

カレーとスケバンの絶妙なハーモニー「あたいらの青春は甘くないよ!」蛇光院包(編集部)

 

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