毎年恒例となったアルプスの山のバカンスを今年も決行した。コロナの状況は改善しているものの、デルタ株の感染拡大で1週間先の状況がまったく見えない中、長期にわたって家を離れることに不安がなかったといえば嘘になる。去年の夏はまだワクチン接種が始まっていなかったが、コロナの感染状況が今年よりは落ち着いていたこともあり、気楽な気持ちでバカンスに出かけられたような気がする。コロナ禍が長引けば長引くほど、さまざま情報や新たな対策がひっきりなしに出回って、正直もう何が何だかわからない状態になってきた。

 例年であれば4、5月には夏のバカンスの計画を立てて予約を始めるのだが、今年はギリギリまで行動できずにいた。連れ合いと二人で、「直前の状況を見てから判断しよう」と引き伸ばしていた時、ひょんなことから連れ合いの従兄弟たちが「家族みんなで山に行かない?」と提案してきた。行き先はグラン・パラディーゾ国立公園の中にある小さな村で、山好きの従兄弟たちは幼い頃から馴染みの場所だという。コロナ禍で日々刻々と変わる状況に振り回されるのも疲れたし、今から旅の手配をするのも億劫だったので、喜んでお誘いに乗ることにした。移動は車で、家から目的地までドア・ツー・ドアで往復できるのも心強かった。7月末に政府が「8月6日から屋内施設でのグリーン・パスの義務付け」を発表したが、一番心配していた行動規制やロックダウンはバカンス期間中は実施されないようだ。万が一のことがあったとしても、同行者がよく知っている場所ならどうにかなるだろうということで、万全を機してアルプスへと向かった。

 

グラン・パラディーゾ国立公園のピエモンテ州側に位置するチェレゾーレ・レアーレが今回の目的地。人口200人の小さな渓谷の村は、バカンス最盛期でも人混みとは無縁ののどかさ。