私は仕事が「カレー」です!
カレーを好きになって35年、プロとして「カレーの道」を選んで13年。今では私の収入の全てがカレーです。今回は、そんな私のカレーとの関わりをご紹介させていただきます。

 

「濃厚チキンとスパイシーキーマのあいがけカレー」
「丸ごとトマトのカレーパスタ」(100円レトルトカレーをアレンジ)

 私は物心がついた時から食いしん坊で、食べることも作る事も好きで、中でも特にカレーが大好きでした。カレーは、どんな食材を使っても美味しくまとめることができるし、「味の正解」がなくて、作る人が自分でそれを決めることができる。そんな自由度の高いカレーがとても魅力的に思えたのです。
 そんなカレーへの想いは、いつしか“自己表現”へと変わっていきました。言葉や文章で自分を語ることは苦手でも、カレーでならいくらでも自己表現ができるのです。本当に寝る時間も惜しむくらいカレーの事を考えていました。「自分ならこう作る」とか「こんなカレーが世の中にあったらなぁ」という想像を日々膨らませていました。
 社会に出てからもその想いは膨らみ続け、30代目前に「カレーに人生を賭けてみたい」と考え、すべてを捨てて「カレーの道に進もう!」と決めました。今までの人生で一番思い切った選択だったと思います。周囲からは“カレーを職業にする”ということは反対されました。でも、カレーのあらゆる事を「知り」「作れて」「語る」ことができれば職業としても成り立つはずだし、「無いなら“カレーという職業”を自分で作れば良いのだ!」と考えました。

 

「トマトと香草で薔薇風に盛り付けたカレージュレ」の一皿
「星形きゅうりの冷たいスパイスカレー」

 最初は、最も大切にしている現場(料理人として厨房に入ること)を中心に経験を積んできました。今の時代、情報は簡単に手に入るし、レシピやテクニックは調べれば得られます。「それを少し変えたら誰でもオリジナル」とも言えてしまう。その反面、現場は一番きついし誰も見ていない。だけどその分得られる経験は大きくて、絶対に大きな武器になると思っていました。他の人からは、もっと楽な方法があるんじゃないか?と思われるかもしれないですが、自分の納得がいくやり方を続けていきました。その下積みの経験が「カレーのプロ」として自信を持つことができ、今では何より大きな私の財産になっています。

 

一条もんこオリジナルのレトルトカレー

 気がついたら本当にカレーと一緒に生きていました。まさに“運命共同体”です。今では料理教室を中心に、書籍の出版、商品開発や大手企業とのタイアップ、講演会、町興し等、カレーにまつわる全ての事が仕事になっています。その中でも1番に目指した事は、カレーの料理教室を構える事(カレーの先生になる事)でした。美味しい料理の技術を人に伝えるというのが自分に合っているし、それなら人を喜ばせる事ができると思いました。カレーは自由で可能性も無限です。
「何にも囚われない生き方」。そんな自分と、カレーという料理は似ているような気もしています。これからも「新しいカレーの在り方」を追求して、たくさんの人をカレーで幸せにする事が自分の目標です。

 

料理教室風景
企業とのタイアップイベント風景
講演会風景


 

リレーエッセイ「スパイス・カレー編」】
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