文と写真・室橋裕和

 

 東京・高田馬場。「リトル・ヤンゴン」という別名があるほど、この街にはミャンマー人が集住している。だからたくさんのミャンマー料理店があって、海外に気軽に行けないいま旅気分を味わうには実にいい場所でもあるのだが、その駅前で声を上げている人たちがいた。

「私たちは、在日ミャンマー人です。ミャンマー国民のために募金活動をしています。1円でも構いません。力になりますので、よろしくお願いいたします」

 高田馬場ではもう見慣れた光景かもしれない。ミャンマーでクーデターを起こし、強引に政権を奪った軍に対する抗議のデモだ。2月政変の以降、軍は国民を無差別に逮捕したリ、虐殺を繰り返し、わかっているだけでもこれまで1000人以上が犠牲になった。こうした弾圧に加えて、市民たちが役所を中心に職場放棄して軍に抵抗する「不服従運動」が広がっていることから、社会の機能はほとんど停止している。経済も動かない。だから生活苦に陥る人々も出てきているのだが、そんな母国へ寄付をしようと日本に住むミャンマー人たちは、高田馬場をはじめ日本各地で週末になると街頭に出て、募金を呼びかけている。

 しかし、単に募金活動をするだけではない。そこにひと工夫、加えるのがミャンマー人なのだろうか。チャリティフットサルを開催するグループもいれば、レストランをつくって売上を寄付に回す人々もいる。そして毎週日曜日、高田馬場駅前に集まってくる彼らは、「ブックフェア」と募金活動を組み合わせている。

 

天気などにもよるが、毎週日曜の午後に高田馬場駅前で開催される
ちなみに近くのビル「タック11」はミャンマー料理店、食材店がひしめく「ミャンマービル」なんである