■古本の中にお宝を発見?

 並べられた本を見てみる。ミャンマー語のものは当然さっぱりわからないが、レトロな装丁のものが目立つのでちょっとしたインテリアにいいかもしれない。

 小説や、仏教の説話集のようなものが多いようだが、その中に、かの村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』のミャンマー語訳が。さらに芥川賞に輝き大ヒットした『コンビニ人間』(村田沙耶香著)もミャンマー語訳を発見!

「ミャンマーでも『コンビニ人間』は人気なんです。私も読みました」とは、テーさんたちと仲間の男性。「日本でもコンビニでアルバイトするミャンマー人は多いですからね」なんてしみじみ言う。コンビニで稼いで日本で暮らすミャンマー人には、刺さるのかもしれない。

「最近では、日本人が読み終わった本を持ってきてくれるんです」

 テーさんが嬉しそうに言う。古本を捨てたり売ったりするのではなく、役立ててほしいとここにいるミャンマー人に手渡す。そんな日本人も増えてきているのだという。

 ブックフェアを見ていると、意外なほどたくさんの日本人が寄付をしていく。家族連れ、お年寄り、中高生くらいの若者、カップル……何ごとか参加者のミャンマー人とひと言ふた言、会話を交わし、肩を叩き、大事なお金を募金箱に入れていく。ウーバーイーツの兄ちゃんが自転車に乗りながらサッと寄付をして走り去る姿も見た。

 2月にクーデターが起きた当初は、日本人にはあまり関心を持たれず、逆に在日ミャンマー人たちのデモはコロナ禍で行うものではないとバッシングもされた。それでも地道に粘り強く活動を続けるうちに、日本人の間でも少しずつ理解されるようになってきている。共感の広がりと、日本人の優しさを感じる。

 

ミャンマー語の本の中に、あのハルキ・ムラカミが……
日本に住むミャンマー人たちの努力の証のような日本語学習の本も売りに出されていた
『コンビニ人間』はミャンマーでも人気作となったそうな