文と写真・サラーム海上

 

■テルアビブの胃袋「カルメル市場」へ

 2019年11月25日月曜、イスラエル滞在最終日。音楽家の友人と会う約束が直前にキャンセルとなり、一日の予定がまるっきり空いてしまった。帰りの飛行機は翌日の朝5時半なので、空港には深夜の2時半に到着すれば良い。さ~て、丸一日何をしよう。お土産を買って、食べ損ねたものを食べて過ごそうか。いつのまにか日本より物価の高い国になってしまったイスラエルだが、中東料理に使う食材は日本よりもはるかに安く手に入れられるのだ。

 午前9時半、宿で自転車を借り、朝食を取らないままカルメル市場へ向かった。 ここは「テルアビブの胃袋」と言われる市場街で、約450mの長さのハカルメル通りとその裏通りに沿って食料品や衣料品のお店や路上屋台が続く。お土産を買うのはもちろんだが、食いしん坊仲間のダンに勧められた食堂を訪れるのが目的だ。

 自転車を市場入口広場のガードレールにチェーンロックでガッチリ留めて、ハカルメル通りを歩き始める。前夜に少し雨が降ったらしく、地面が少し濡れていた。地中海性気候で雨は冬の到来を意味する。一週間ちょっとの滞在中、日に日に気温が下がっていたからなあ。

 午前中の市場では採れたての野菜や果物が目立つ。大小様々な大きさと様々な色のトマトやパプリカ、日本では見たことのないほど大きなきゅうりやこれまた巨大なかぼちゃ、ビーツにフェンネル、果物ではりんごにグアバ、洋梨、プルーン、ザクロ、バナナなどが市場の通りをカラフルに彩っている。バクラワやクナフェなどアラブ菓子屋台や、クロワッサンやケーキ、ペストリーが並ぶパン屋も目立つ。チーズやオリーブ、自家製のオリーブオイルの屋台はちょうどお店を開いている最中だ。

11月下旬のカルメル市場。前夜の雨で地面が濡れている
エルサレムブレッドの屋台。同じものがトルコではスィミット、ポーランドのクラクフではベーグルと呼ばれる
チーズも中東のフレッシュチーズから、ブルーチーズや白カビ系まで様々
中東お菓子の屋台。ピスタチオたっぷりのバクラワやカダイフなど
ペットボトルで売られている何やら怪しげな液体は農家直売のEXVオリーブオイル! 2リットルで40シェケル(1368円)とは激安!

 ドライフルーツやナッツの店ではこれまでの滞在中には見たことのなかった、小さなサイコロ状に刻んだ様々な果物のドライフルーツをカラフルにミックスしたものが店頭の大部分を占めていた。レーズン、無花果、デーツ、杏、リンゴ、パパイヤ、パイナップル、マンゴー、キウイフルーツなどが調合され、ミックスベリー、メロンミント、アップルサイダー、ジンジャーレモンなどと名付けられて並んでいる。近頃の新商品だろうか?

 ドライフルーツは地中海〜中東地域において最も古い保存食品の一つで、重要な栄養源とされてきた。古代の人々は木から落ちて、強い太陽によって乾燥された果物が甘さが増していて、しかも日持ちすることを発見し、余った果物を干し始めた。他の中東の国、トルコやレバノン、エジプトなどの市場でもドライフルーツは人気だが、丸ごとの干し杏や干し無花果をお土産でいただいても、なかなか食べ切れるものじゃない。

 その点、このダイスミックスならコーンフレークやグラノーラに入れたり、パンに混ぜ込んだりしてそのまま使える。しかもドライフルーツ屋の店頭の風景まで一新され、良いことずくめだ。メロンミントとミックスベリーを500gずつ買った。

これがドライフルーツの新形態。いかにも美味そうでしょう!
毒々しくもカラフル過ぎるグミの屋台! さすが買ったことないけど、どの市場にも並んでいるから、さぞ人気なんだろうね

ぶっきらぼうな英語で書かれたスパイス屋台。明らかに外国人観光客向け!こういう屋台は避けよう