■市場でお土産をたっぷり買い込む

 腹ごなしにカルメル市場に戻り、目星をつけておいた屋台でオリーブを買う。

「この赤ワインビネガーに漬け込んだオリーブは1kgで幾らですか?」

「45シェケル(1542円)。500gでも売るよ」

 ほら安いでしょう? 日本で同じクオリティーのオリーブを買ったら、100gでこの値段になりそうだ。

「では、それを2kgと、こちらのレモンに漬けた緑オリーブを2kg下さい」

「え、そんなに沢山? お前さんは観光客だろ? それともイスラエルに住んでるのかい? とにかく今日最初のお客だからおまけを付けるよ。何が欲しい?」

「スフーグはありますか?」

「もちろん、ちょっと待って!」

 屋台のオッチャンが近くの店に入って、プラスチックパックに入れて冷凍保存された100gほどのスフーグを2つ持ってきてくれた。

「これはおまけだよ。あ、カード払いはダメだ。現金にしてくれ。ほら、あのパン屋の手前の壁にATMがあるだろう。あそこで下ろせるから」

ハカルメル通りの真ん中辺りに立っていたオリーブ屋台

 旅の最終日なので現金はできるだけ持ちたくないのだが、まあ仕方ない。ATMまで行くと、今度は隣のパン屋の店頭に目が行った。おお、バブカじゃないか!

 東ヨーロッパのユダヤ人が作った菓子パン、バブカは近年は日本のカフェやパン屋などでも「ニューヨークの最新流行スイーツ」として人気が高まっている。バターたっぷりのクロワッサンのような生地にチョコレートやポピーシードの餡、チーズやナッツなどを巻き込んで、大型の細長いケーキ型に入れて焼いたずっしりと重い菓子パンだ。イスラエルでは毎朝のホテルの朝食ブッフェに並んでいて、手を伸ばしたくて仕方ないのだが、これを食べたらその日一日お腹が空かなくなり、何も食べられなくなるのは間違いないので、毎朝涙を飲んで我慢していたのだ! それを帰国日に見つけられるなんてなんたる幸運!

「一本、幾らですか?」

「500gで40シェケル(1370円)です」

「カード払いは出来ますか?」

「もちろん、店内のレジで出来ますよ」

 よし! まずATMで現金を引き出して、オリーブ屋台のオッチャンにお金を支払ってオリーブを受け取り、今度はパン屋に戻り、ベルギーチョコレート入りのバブカとポピーシード餡入りのバブカを一本ずつ買った。最初に買ったドライフルーツダイスミックスまで足すと合計6kg以上。これだけ買えばお土産には十分だ。時間は午前11時すぎ。ホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウトしよう。午後のことはそれから考えればいいのだ。

ベルギーチョコレート入りのバブカなんてなんて贅沢な!