文/光瀬憲子 

 

カンボジアベトナムで食べ歩きを楽しんできた。
東南アジアの国々でも華僑は存在感があり、特に中国に近いベトナム北部のハノイには中華系の食べ物も多かった。一方で、カンボジアとベトナムはかつてはフランス領だったため、フランス料理の要素も多分に含んでいる。
今回は台湾グルメと東南アジアグルメを比較してみたい。

(本記事は2019.4.6初出のものです)

 

■朝ごはん編 

 

 ベトナムの街は朝ごはん屋台が多い。台湾でも豆乳専門店をはじめ、粥、米粉などさまざまな朝食店が早朝から営業しているが、ベトナムの都心では屋台型から店舗型まで、3軒おきに朝食店が並んでいる。種類も肉まん、フォー(ライスヌードル)、バイン・ミー(サンドイッチ)、丼モノ、粥など多彩だ。

 そのなかのひとつ、肉まん屋台に立ち寄ってみた。大きくふかふかの肉まんの中にはうずらの玉子が入っていることが多い。さらに、ひき肉、春雨、キクラゲなどもプラスされ、盛りだくさんで約50円。総合的に見て台湾のほうが肉がぎっしり詰まっており、皮もモチモチしている気がするが、安さはベトナムに軍配が上がる。

 

ハノイの朝ごはん。バイン・バオ(肉まん)は具だくさんで1個50円程度が相場

台湾でよく見かける肉まん

 

 ベトナムで次に見つけた朝ごはんは中華系。白米にさつま揚げ風の煮物、腸詰め、揚げ卵がのったもので、お値段はおよそ200円。茶碗のサイズ感や白米の量は台湾の魯肉飯や控肉飯(角煮乗せ飯)とよく似ており、味付けも醤油煮込系だ。腸詰めは台湾よりもベトナムのほうが甘めの味付け。

 また、煮玉子の代わりに薄い衣を付けて揚げたゆで卵が添えてあるところもおもしろい。ひき肉の煮込みがたっぷりのった魯肉飯が30元前後(約110元)であることを考えると、台湾のミニ丼のほうがコスパはよさそうだ。

 

ハノイの人気朝食店のミニ丼。さつま揚げ、腸詰め、揚げ卵に煮汁がたっぷりかかっている。おかずの下はもち米なので腹持ちがよい

■サンドイッチ編 

 カンボジア人もベトナム人もサンドイッチが好きだ。フランスパンにハムや野菜の漬物を挟んだもので、カンボジアではヌンパン、ベトナムではバイン・ミーと呼ばれる。日本でも最近よく見かける。

 具材もタレもカンボジアとハノイではだいぶ違うので、ひとくくりにすることに抵抗はあるが、これらと台湾の揚げパンサンドイッチ、栄養三明治とを比較したい。



 カンボジアとベトナムのものが、植民地時代のフランスパンをベースに変化を遂げたものであるなら、台湾の栄養三明治は日本時代の名残りではないだろうか。コッペパンを揚げたものに、煮玉子、ハム、トマトを挟んだ定番夜市フードの栄養三明治は港町・基隆がその発祥だと言われている。

 日本との交流が深かったこの地で揚げパンサンドイッチが生まれたとなれば、なおさら日本との関わりを疑ってしまう。値段はヌンパンが1つ60円程度なのに対し、栄養三明治が約180円だ。

 

カンボジアの人気朝食屋台。ヌンパンを待つ若者たちで人だかりができている。1つ約60円

基隆名物のひとつ、栄養三明治(サンドイッチ)