文/チョン・ウンスク

 

 2009年に韓国マッコリブームが起き、日本では「どぶろく」と呼ばれる時代遅れの酒が脚光を浴びた。一時的なブームと見る人も少なくなかったが、今ではスーパーやコンビニにプラスチックのボトルが数種類並び、ソジュやビールと並ぶ大衆酒として完全に定着している。

 意外に知られていないが、ブーム以前、マッコリは焼肉店や居酒屋には常備されていなかった。ソウルの仁寺洞にある民俗酒幕(民芸酒場)で飲んだり、かつてマッコリを愛好したお年寄りが集まる田舎の酒場で飲まれたりしていたくらいだ。

 マッコリは今でこそ健康志向で若い女性にも愛され、地域ごとに銘柄があり、プレミアムを冠する高級品も出回っているが、かつては農家などで醸され、畑仕事の合間に飲んで昼寝し、体力を回復させる労働酒だった。

 今回はそんなマッコリ本来の姿を美しく描いた、映画『ウェディング・キャンペーン』のワンシーンを紹介しよう。

この映画に感化され、夏の終わりに農村の唐辛子収穫におじゃましたときの写真。農家のご主人(青いシャツ)がチョン・ジェヨンに少し似ていたのは偶然である