■「日本茶の新たな可能性」への評価

 

 静岡で世界緑茶協会が毎年開催している世界緑茶コンテストというものがある。「斬新でお茶の未来を感じさせる商品」を日本・中国韓国インドといった世界各国から募り、審査するのだ。2009年からはこのコンテストに審査員として参加するようになった。

 日本茶に魅せられ、産地を訪ね、生産者の教えを請い、日本茶ファンの裾野を広げるためにフレーバー茶を開発し、日本茶の魅力をさまざまな形で発信してきたことが産地にも評価され始めたようだった。

 「産地への貢献を評価されている」と実感したイベントがもうひとつある。2009年に行われた新東名高速道路の藤枝PA−島田金谷間のトンネル開通式に、水出し茶を提供したのだ。新東名高速道路は、私にとっては茶産地・静岡と消費地・東京をつなぐ象徴的な存在でもある。トンネル開通式では象徴として最後の壁の一部を爆破したのだが、その様子は産地と消費地との交流を活発化したいという私の想いと同調するようで感慨深かった。そして、そんな場所で、行政関係者や工事関係者におちゃらかの水出し茶を振るまうことになるとは少し前には考えもつかなかった。

 2011年にはうれしいことに「日本茶の魅力を世界に発信するための新たなお茶の飲み方の提案と山間地茶業の振興」に貢献したことが評価され、世界緑茶協会から「O−CHAパイオニア賞」をいただいた。

 「日本茶の新たな可能性を発信する」

 という私の想いと方法を、生産者にも産地の行政にも受け入れられ始めた実感を得られたあのころ、私は同時に東京でも別の形で「日本茶の新たな可能性を発信する」相手と方法を見つけ始めていた。

 



新東名トンネル貫通式典にて水出し茶を提供する様子

 

 

写真/ステファン・ダントン 編集協力/田村広子、スタジオポルト

「ステファン・ダントンの茶国漫遊記」vol.7、8  (2017.7.8、7.17)

 

次回、「新たな日本茶をつくる旅1−静岡と沖縄をつなぐ」

 

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