一方、台湾では魯肉飯だけで食事は成り立たない。魯肉飯は「ライス」のようなものなので、それに主菜、副菜、汁物などをプラスして初めて完成する。だから台湾の本場で食べる魯肉飯は小椀で出てくるのだ。大盛りもあるが、それも「ごはん大盛り」という扱い。魯肉飯だけを頼む人はほぼいない。みな、何かしら他のものと一緒に注文する。

 かつて、私が台湾で暮らし始めた頃、例にもれず魯肉飯ファンになり、魯肉飯だけをたくさん食べたい! と思ったのだが、食堂の店員に「野菜も頼むといいよ」「スープはどれにする?」など、あれこれと世話を焼かれた。

 魯肉飯は、麺や炒めもの、煮物などを扱う食堂のほとんどで扱われている。白米に豚肉の醤油煮込み(滷味)をかければできるので、たいていの食堂ではメニューのすみっこに「魯肉飯」と書かれている。主食の選択肢として、白米、魯肉飯、鶏肉飯などがあるのだ。

■専門店もあるにはある

 大衆食堂の基本メニューといってもいい魯肉飯だが、専門店や有名店もある。

 魯肉飯だけを扱う店はないのだが、魯肉飯をウリにしてブレイクしたのが「鬍鬚張魯肉飯」というチェーン。ファストフード感覚で魯肉飯を食べさせてくれる店で、日本ではなんと金沢の学生街に店舗があり、食べ盛りの学生たちの胃袋をつかんでいる。