文・写真/室橋裕和

 

 JR新大久保駅からJR大久保駅の間を走る大久保通りの、およそ300メートル。この界隈を歩いていると、もうどこの国にいるのかわからなくなってくる。ネパールやバングラデシュなどのエスニック食材店が軒を連ね、海外送金屋が点在し、ベトナムサンドイッチ・バインミーの店やらマンゴージュースの店も並ぶ。歩いている人々も東アジア系から東南アジア、南アジアに中近東と、アジアごった煮なんである。

 そんな一角、大久保通りから少し入ったところに、ひっそりと佇む店がある。老舗の中華食材店『陽光城』だ。

新大久保に住み、働く中国人に愛されてきた『陽光城』

■中華食材がびっしり詰まったお店

「歓迎光臨、いらっしゃいませ!」

 中国語と日本語で出迎えてくれるのは、店長の朱江さんだ。開店から閉店まで、ひとりでこの店を切り盛りし、お客をもてなし、商品の発注なども行う。

「うちの売れ筋は、そうですね。干豆腐はよく出ますよ。近所の中華レストランでたくさん使いますからね。あとはやはりレストランの方たちが、唐辛子や干しシイタケなどをたくさん買ってくれます」

 業者御用達の店なのだがもちろん個人客も多く、レジ周りに並ぶ中国のお菓子や中華風ソーセージ、それに店の外のラックに積まれたインスタントの螺蛳粉(ロースーフェン)もよく出るのだとか。これはタニシやタケノコの漬け物でダシをとったスープに、ビーフンを入れたもの。昨年あたりから中国で大ヒットしているらしい。

「めっちゃ売れます」という干豆腐。和えものや炒めものによく使う
酸っぱ辛くてクセはあるけれどおいしいと評判の螺蛳粉