ナビゲーター/柴田紗希 写真/吉松伸太郎 文/編集部 

 

 「韓国に住んでいた時は、しょっちゅう食べてましたね。屋台が最高です。“おでんバー”というんでしょうか、長い串に刺さってるのがポピュラーで、気軽に食べられるからファストフード感覚ですよ。仕事でもよく行っていたので、この季節になるとすごく食べたくなります」

 こう語るのは、ソウルへ留学経験もあり、韓国好きで知られるカリスマ読モの柴田紗希さん。柴田さんが食べたくなるというのは韓国版のおでん、「オムク 어묵」のこと。日本のおでんと同じようにアッツアツの煮汁から好みの具材を選んで味わうのだが、韓国のオムクは魚の練りものだけを言う。日本で言えばカマボコやさつま揚げなどに相当するだろうか。ドラマにもよく登場するオムクは、韓国では冬の定番、これからの季節に気軽に楽しめるストリートフードだ。

 ストリートフードといえば、空前のブームとなったチーズタッカルビが思い浮かぶ。数年前にインスタ映えするとして注目され、若者を中心に大ヒットしたことは記憶に新しい。ちなみにタッカルビは江原道春川市の郷土料理として知られているが、オムクの本場は釜山。日本からも近い韓国南部を代表する港町だ。その歴史や食文化については、本サイトで「韓国の旅と酒場とグルメ横丁」を連載中のソウル在住の紀行作家チョン・ウンスクさん記事を読んでいただくとよく分かる(記事参照)。チョンさんが釜山を訪ね、いまのオムク事情をレポートしてくれている。

 

 寒くなってくると、韓国通の人ならオムクが恋しくなるもの。韓国ではポピュラーなのだが、日本でオムクを味わえる店は意外と少ない。これまでならサクっと韓国へ飛び、屋台でオムクを味わうところだが、もちろん今はまだそれが叶わない。自由に渡韓できない状況が続き、韓国リピーターの中には「オムク・ロス」状態になっている人も多いのではないだろうか。

 

 日本の韓流の聖地と言われる東京新大久保で本場のオムクを食べられると聞き、柴田紗希さんとともに「チーズタッカルビ専門店 ホンチュンチョン」を訪ねた。

大久保通りには誘惑がいっぱい。K-POPのショップやチーズタッカルビの店が並ぶ。

目指すお店の大きな看板を発見‼ 大きな鶏のイラストが目印

 

 度重なる緊急事態宣言を受け、一時は人影まばらな状態だったという大久保通りにも、感染状況が落ち着くにつれて賑わいが戻りつつある。チーズタッカルビの看板を掲げるお店が軒を連ね、休日には行列ができるほどの繁盛ぶりだ。でもオムクの看板はほとんど見当たらない。

 「チーズタッカルビ専門店 ホンチュンチョン」は、大久保通り沿いに掲げられた大看板から路地を少し入ったところにあった。名前からも分かる通り、チーズタッカルビがメインのお店だ。BTSなど人気のK-POPが流れ、清潔感のある店内は、おしゃれな印象を受ける。

 メニューには「おでん盛り合わせ鍋」とあり、これを注文する。

 

おでん盛り合わせ鍋(1,480円)