美食の宝庫シチリアで絶品パスタに出会う

 荘厳な芸術に酔いしれているうち、いつのまにかお昼の時間になっていた。腹時計は正直かつ正確で、哀しいことにどんな美も芸術も、私の空腹を満たしてくれることはない。

 ドゥオーモ広場を後に、早速ランチの場所探し。旧市街の迷路を歩きながら鼻だけを頼りに一軒のトラットリアへ入った。シチリアはシーフードも野菜も美味しく、メニューも独特な郷土料理がそろう。これまで何度もシチリア島を訪れているが、どの街でも、「まずい料理」というものに出会ったことがない。どころか、どこへ行っても「これはなんだ!?」と感激する一皿を発見できる楽しさがある。チェファルーのトラットリアでも衝撃の出会いがあった。メニューにあった「バジリコペーストとツナのパスタ」がそれ。あのジェノヴァ名物のペーストとツナが一体どんな風に組み合わさるのだろう? 興味をそそられて頼んでみた。

 新鮮なバジリコとエキストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルで作ったペーストに、レモンとツナ、そしてアーモンドの粗挽きが入っている。パスタを口に入れると香り高いバジリコとフレッシュなレモンの味がパッと広がり、目の覚めるような美味しさだ。口当たりも軽くて爽やか、これならいくらでも食べられそう。山盛りのパスタはあっという間になくなった。

 



チェファルーで出会って以来、我が家の定番レシピとなったペーストとツナ、アーモンドのパスタ「Pesto di basilico e tonno」(上)。シチリアの代表的なパスタ・アッラ・ノルマ「Pasta alla norma」は、ナスとリコッタチーズのトマトソース・パスタ。これも絶品!(下)