長かった夏のバカンス・シーズンも終わり、ローマの街にも日常の喧騒が戻ってきた。とはいえ、まだまだ残暑は厳しく、一時の涼を求めて夜歩きをする人もたくさんいる。そんな人たちの為に、毎年8月〜10月初旬にかけてローマ市が用意してくれているとっておきのイベントが、美術館、博物館、遺跡などの夜間特別公開。いつもは見慣れた有名スポットも、暗くなってから入るとなんだか別の場所に来たようでドキドキする。こうした特別公開の際には、通常の見学ルートだけでなく普段は立ち入り禁止の場所にも入れたりするので、なおさら「特別」な感じがするのも嬉しい。以前、サンタンジェロ城の夜間特別公開で入場した際には、ヴァチカンから通じているローマ法王の秘密の通路を歩いて大いに感激した経験がある。今年もどこか面白そうなスポットが公開されていないかと調べたところ、カラカラ浴場が夜の特別ガイドツアーを実施していた。残暑厳しい平日の夜のひとときを特別なものにしてくれるスペシャル・ナイト・ツアーに参加してみた。

 

■暗闇に浮かび上がる壮大な遺跡の勇姿にほれぼれ

 

 火曜日の午後9時ちょっと前、カラカラ浴場の受付に行くと既に長蛇の列が出来ていた。今年は8月21日から10月2日まで実施されている夜の特別公開は完全予約制で、毎日19時半から10分刻みでグループごとにスタートする。1グループ最大25名まで、英語とイタリア語のグループに分かれてそれぞれにガイドが付く仕組みになっている。ローマ市街の南端にあるカラカラ浴場は、旧市街の中心地にある遺跡と比べると地味な印象があり、正直言ってこれほどたくさんの参加者がいるとは予想していなかった私は驚いた。英語のグループではツーリストらしき人もいたが、イタリア語グループの参加者の大半は地元ローマの人達。慣れ親しんだ場所でも昼と夜とでは全く別の印象を受けるらしく、ライトアップされた巨大遺跡にみんな感嘆の声をあげている。

 いよいよツアー開始時間。ガイドさんの案内のもと一人一人厳重なセキュリティチェックを受け、中へと足を踏み入れる。涼しい夜風を受けながら、暗闇のカラカラ浴場探検が始まった。

 






期間限定のナイトツアーは10月2日まで毎日19時半〜22時半の間、グループ毎に入場する。HPから希望日時を探して予約し、現地でチケットと引き換える(上)。暗闇に浮かび上がるカラカラ浴場の勇姿は必見(中)。広大な浴場内には図書館やジムなどもあった(下)。