室内ホールから出ると、ドミニクさんに肩を叩かれ、前夜と同じ野外食堂マキへ行くことになった。文化宮殿にいる限り、食事は5~6軒のマキで食べるしかない。どの屋台もメニューは鶏、魚、焼く、煮る、だけで面倒なので、前夜と同じ店にした。身が固くて食べにくい鶏は止めて、今度は魚の炭火焼きを選んだ。付け合せはご飯ではなく、ドミニクさんおすすめのフライドバナナの盛り合わせとキャッサバの粉を発酵させたクスクス状のアチュケを選び、さらに焼き魚の上には玉ねぎとピーマンを軽く煮たソースをたっぷりかけてもらった。これで全部で2500CFA=約450円と安い。飲み物はフランス製のビールがが500CFA=90円と安い。

 どのマキも魚は冷凍ものの青ティラピアのみ。淡水魚だが臭みは一切なく、日本人にはスーパーで売っている白身魚フライでおなじみの味だ。酢と生姜、玉ねぎ、にんにくなどを使ったマリネ液をたっぷり付けてから揚げてあるので、味がしっかりと付いていて悪くない。

 アチュケは南インドの朝食に出てくる発酵したセモリナ粉を炊いたウプマーに似ていて、酸っぱいクスクスだ。フライドバナナはインドネシアなどでおなじみの味だが、揚げ油がキツくてたくさんは食べられない。屋台でしか食べていないので決めつけたくはないけれど、西アフリカ料理は特別に美味いというわけではないなあ……。まあ、あまり料理が美味すぎないくらいがフェス取材に集中出来てちょうど良いのだ。

 

夜の屋台マキ

屋台マキの前に掲げられたメニュー。基本は鶏か魚の炭火焼きか蒸し煮。付け合せはアチュケやフライドバナナやフートゥー(蒸したキャッサバの餅)、白飯、サフランライスなどが選べる。珍しいものではエスカルゴやホロホロ鳥もある

青ティラピアの炭火焼き定食。右のフライドポテト状のものはフライドバナナ。玉ねぎやピーマンのソースがたっぷりかかっていて魚が見えない。

キャッサバの粉を発酵させたクスクス状のアチュケ

夜の写真は暗いので、翌日に同じ店で頼んだ青ティラピアのフライ定食。今度は白飯と玉ねぎのソース、野菜のソースをのせてもらった

 10日は午前中からサシャに呼び出され、一緒に文化宮殿の南側に広がる庶民街トレーシュヴィルを散策した。僕が滞在していたプラトー地区はホテルや銀行やオフィスのビルディングが中心だが、トレーシュヴィルはモロッコ・ラバトの旧市街メディナかインドのラージャスターン州の地方都市のようなゴミゴミした低層造りの建物が立ち並び、一階には食材屋や材木屋、自動車修理店、理髪店や雑貨店などの個人商店が入っている。文化宮殿の近くにはモスクや小学校も建ち、大人や子供が集まっていた。