「これが本物のアフリカだよ。プラトー地区はフランス人が造った人工的な場所だから。ここはセネガルやギニアやマリ、ブルキナファソなど、西アフリカ中から仕事を求めて移住してきた人々がそれぞれ分かれてコミュニティを作っているんだ。大都会の中に村があるようなもんさ。アビジャンの公用語はフランス語だけど、この地区の公用語は西アフリカで広く話されているジュラ語なんだよ」

 

午前中のトレーシュヴィル地区を歩く。アフリカらしい活気ある地域
トレーシュヴィル地区のモスク

 文化宮殿のすぐ近くにマキが並ぶ、通称「セネガル食堂小路」があったので、ちょっと回り道して通り過ぎた。お店の前に座り込んで魚の鱗を落としたり、キャッサバを杵で突いているお姉さんたちがいて、東洋人が珍しいのか声をかけてきた。角の屋台には見たことのない動物の肉の部位や内臓の炭火焼きが売られていた。

 「この通りは100CFA~1500CFA、180円から270円で食事が出来る。あまり生的でないけれど、どの店もすぐに売り切れてしまうほど人気で、店じまいしてしまうから早い時間を狙わないと。僕は今から朝飯兼昼飯を食べていくから、また後ほど、会場で会おう」

 

文化宮殿の斜め前にあるセネガル食堂小路

セネガル食堂小路の路上で、キャッサバを杵で突くお姉さん
セネガル食堂小路の角の路上でジビエ肉と内臓のグリルを売るオヤジさん

 文化宮殿では、この日の午後3時半から若手アーティストたちによるショーケースライブが行われた。会場はレストラン屋台マキが並ぶ手前の野原。そこにぽつねんと置かれた古いプロペラ式の飛行機の前にステージが組まれていた。時間通りに着いたのだが、当然サウンドチェックも始まっていないし、観客はまだ僕一人だけだ。どうせ時間通りに来てしまう僕が悪いのだ……。