文と写真・サラーム海上

 

■アビジャンのホテル朝食ブッフェと屋台街

 

 3月10日火曜アビジャン、僕は朝の5時前に目が覚めてしまった。コートジボワールと日本との時差は9時間もあり、時差ボケはそう簡単には治らない。しかし、「アビジャン舞台芸術見本市 (Marche des Arts du Spectacle d'Abidjan)」、通称「MASA」の取材は続く。

 

 今回は滞在していたアビジャン・プラトー地区にある老舗三ツ星『Grand Hotel』の朝食ブッフェから紹介しよう。外国人宿泊客が多い宿だけに、朝食ブッフェは当然コンチネンタル(西洋式)メニューが中心だ。パンやピザ、コーヒーや紅茶、牛乳やジュース、オムレツにソーセージやベーコン、サラダにフルーツ、ヨーグルト、そしてケーキなどが並んでいる。

 アフリカらしい料理が何かないかと探すと、強いて言うなら煮豆料理がアフリカ料理ではないか。白いんげん豆をソーセージやベーコンの切れ端、唐辛子とともに煮込んだもの、ブラジルのフェイジョアーダやフェイジョンに使う黒い豆を少々の肉とともに煮込んだものは、普通のコンチンタル式のブッフェでは見かけない。

 他には、クミンを効かせた羊や牛肉の肉団子を玉ねぎやピーマンと一緒に煮込んだものも中東のキョフテ~コフタと通じる。この辺りを一皿に盛り付ければアフリカの朝食と言えるだろうか?

 

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Grand Hotelの朝食サロンで働く若者たち

tabilistamasa3Grand Hotelの朝食ブッフェにて、コンチネンタルな朝食だが、少しでもアフリカっぽい豆料理をたっぷり盛り付けた

 

 他にもっとアフリカらしいものはないかな? ありましたフルーツが! 熱帯フルーツの定番のバナナ、パイナップル、パパイヤはあまりうれしくないけど、日本では高級フルーツ扱いのマンゴーが食べ放題なのは嬉しいね。

 マンゴーの木は至るところに生えているし、マンゴーだけが特別というわけではないのだな。しかし、僕はマンゴーだけ何個でもお代わりしちゃう! そのまま食べるのもいいけれど、フルーツを全て角切りにして、ヨーグルトと混ぜてサラダにしちゃうのもエエのぉ。

 

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街角の木になっていたマンゴーの実。羨ましい!

tabilistamasa3バナナ、パイナップル、パパイヤ、そしてマンゴー!

tabilistamasa3トロピカルフルーツを入れたヨーグルト、贅沢! これぞアフリカの朝食か?

 この日は午前中にプラトー地区の北端にあるMASAの事務所にキリスト教会の聖歌隊を観に行くことから取材を始めた。西アフリカではキリスト教、イスラーム教、更にヴォドゥンのようなアニミズムも広く信奉されている。キリスト教徒はミサの際に賛美歌を歌うが、欧米や日本で歌われている賛美歌とは随分異なり、ポリリズムやポリフォニー、叫びや笑い声、ボディパーカッションなどを駆使したアフリカ仕様に変容したものとなっている。

 午前10時、気温は35度近い暑さ、タクシーで10分ほどでMASAの事務所に到着した。事務所の広い庭の木の下で地元アビジャンの聖歌隊に加えて、トーゴやガーナから来た聖歌隊が三組に分かれてのんびりと練習していた。観客は一人もいないし、コンサートのための機材もない。メンバーに聞くと、この日は練習だけで、コンサートは別の日とのこと。トホホ。公式プログラムを見直すと、練習打ち合わせと書かれていた。プログラムくらいきちんと読めよ……。

 それでも11時半になると、三組が一つのテントの下に集まって合同練習が始まった。指揮者はガーナ人なので英語で話している。それをコートジボワール人がフランス語に訳してメンバーに伝え、その場で全員一緒に歌い始めた。