文/光瀬憲子

 

■「魯肉飯」と「滷肉飯」は同じ読み方で、同じ意味

 日本でも市民権を得て、最近ではコンビニにもレトルトが登場するようになった魯肉飯(ルーロウファン)。今や小籠包(ショウロンポウ)に次いでよく知られる食べ物となった。

 実は、台湾の食堂では「魯肉飯」と同じくらい「滷肉飯」というメニューが多い。何を隠そう、この2つは同じ読み方で、同じ意味だ。ではなぜ2つの書き方があるのか?

「魯肉飯」は漢字の誤用で、本当は「滷」の字が正しい。「滷」はしょっぱい煮汁で煮込んだものを指す。だから煮込み肉が乗ったごはんも本当は「滷肉飯」なのだそうだ。ただ、「魯」には美味しいという意味があり、徐々に誤用が広まって今に至ったという説がある。

 魯肉飯のような醤油をベースにした煮物全般を、台湾では「滷味(ルーウェイ)」と呼ぶ。魯肉飯に乗っているそぼろ肉も「滷味」の一種というわけだ。だが、滷味はとても種類が多く奥も深い。豚肉だけでなく、鶏も鴨も滷味になる。それどころか、野菜も豆腐も昆布も滷味になる。すべてほどよく醤油で煮込み、茶色くなったもの、それが滷味だ。

台北の夜市に並ぶ滷味。豆腐や鴨肉などが目立つ。気に入ったものを選んで数十元から手軽に楽しめる 
台湾北東部の町、礁渓で見つけた滷味専門店『三民大飯店』。まるで刺盛りのように美しくカットされた滷味にうっとり