筆者の大好きな映画『熱血男児』でも、湯気の立つおでん居酒屋のカウンターでヤクザの兄貴分(リュ・スンリョン)が弟分(ソル・ギョング)に次のように話す場面があった。

「オレが少年院を出るとき、おまえのおふくろが清めの豆腐を買って迎えに来てくれたんだ。オレはバツが悪くて、気づかないふりしてバスに乗って帰っちまった。ふつうは肉親が迎えてくれるんだろうが、オレには親がいない。せっかくおまえのおふくろが来てくれたのに、オレはいたたまれなかったよ……。底冷えする日だったな」

 強がりや気取りは捨て、肩の力を抜いて本音で話す。おでんはそんな酒席に似合う。

 おでんから映画の話になって、少ししんみりした。気分を変えて釜山散策を始めよう。

筆者は2015年、釜山港からフェリーで日本の下関港に渡るとき、オムク(写真中央)を買って船中でビールのつまみにした

 

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韓国最大の財閥企業サムスングループの二代目会長、故・李健煕(イ・ゴンヒ、昨年10月に死去)の発言、語録をまとめた書籍『李健煕の言葉(原題)』(韓国、スターブックス社刊)を、チョン・ウンスクが日本語版として翻訳、刊行したものです。