しかし……はしゃぐのはわかるが、それにしたってこの国境のお祭り騒ぎはどうなっているのか。ゲートの手前にはミャンマー北部特産のヒスイを販売する高級宝石店が並び、その前では民族衣装に見えてちっともどの民族の服でもない格好をした従業員のおばさんたちが、フラダンスみたいな踊りを披露して観光客に大ウケだ。

 ヒスイ屋は大小さまざまな店が並び、呼び込みの雄たけびが勇ましい。日本人よりはるかに、金銀宝石を投資・貯蓄の対象とする中国人たちは、真剣な表情でエメラルドグリーンの石の山を探り、見定め、店員と怒鳴りあいの交渉をしているが、僕にはどうにも価値はわからない。

 体育館みたいな巨大なレストランがあったので入ってみたのだが、ツアー客専用のミャンマー料理ビュッフェだとかで、チケットのない僕は追い出されてしまう。その正面にはミャンマー風の寺院を模したヒスイ博物館があるのだが、ここもツアー専用。

〝緬旬一日遊〟

 ズバリ訳せば「ミャンマー・ワンデイ・トリップ」であろう。景洪市内や、雲南省各地では、こんな貼り紙のある旅行会社をよく見る。ホテルのフロントにも掲示されていたりする。

 観光バスでミャンマーぎりぎりまで迫り、ヒスイ市を見て、国境の前で記念撮影をし、ビュッフェのランチ。そんなツアーが人気になっている。個人で訪れていたのは僕だけだったようだ。「一日遊」は日本人でも参加できるので、中国人と一緒にバスツアーするのが正解だったかもしれない。

 

意味不明のコンセプトだが、ヒスイデパートの呼び子であった

この国境の名物はヒスイだ。ゴージャスな店から屋台までヒスイ屋がずらり

オープンエアのヒスイ屋台でも大マジメな取引がなされていた