国境線のメコン河、第4友好橋をボートでくぐる

 10時間のバス旅というと昨今のヤングは根を上げるようだが、アジアの荒旅で鍛え抜かれた僕にとっては屁みたいなものである。とはいえ、すっかりおじさんになったいまではやや腰に来る場合があり、湿布を荷の底に隠し持っている。

 腰を押さえて降り立ったフエサイの街は、欧米人のバックパッカーが行きかう旅の基地。ここからトレッキングに出たり、世界遺産の街ルアンパバンを目指すのだ。

 そして街は母なる大メコンに抱かれている。早朝からの旅もいまや夕暮れ、メコンの向こうに陽が落ちていく。そこはもう、タイの大地だ。メコン河は国境線でもある。3つの国を渡るバス旅でもあったのだ。

 ここからシブくで国境を越えたいところだが、それができたのは2013年まで。いまでは両岸を結ぶタイ=ラオス第4友好橋がかかっており、ここを通過する必要がある。

 この橋が開通したことで、タイと中国の貿易がさかんになったのだ。互いに観光客も増えているようで、タイ側の国境の街チェンコンでは、漢字の看板を掲げたゲストハウスがずいぶんと増えていた。未開発だったインドシナ北部も、急速に変化を見せているのだ。

 さて、この国境橋をボートでくぐるという体験もできる。メコン河の河川交通の要衝パクベンから、フエサイまでボートが出ているのだ。8時間かけて遡るスローボート、2時間弱で競艇のごとくカッ飛ばすスピードボートとあるが、右岸にラオス、左岸にタイを従えてメコン河をゆく国境ロマン。その仕上げ、フエサイの街の手前にゴールのテープのごとくかかっているのが第4友好橋なのである。マニアならぜひ押さえておきたいルートであろう。

 

アイスに夢中。フエサイにて

対岸のタイに太陽が沈んでゆく。メコンの夕日は本当に感動的なのでリアルで見てほしい

こちらはタイ側チェンコンからラオスのフエサイを望む

第4友好橋をこのアングルで撮れるのはボートからだけ

【越えて国境、迷ってアジア vol.12】(2016.9.14)