文・写真/下川裕治

 

■トランジットでエチオピアのアディスアベバに滞在した

 アディスアベバのボレ国際空港は、市街地に隣接していた。トランジットホテルへはものの15分ほどで着いてしまった。

 東京からエジプトのカイロに向かっていた。エチオピア航空が安かった。ハブ空港であるエチオピアのボレ国際空港での乗り継ぎは12時間近くあった。エチオピア航空はそれ用に市内のトランジットホテルを用意してくれた。

 トランジットホテルを利用する場合、エチオピアには入国したことにならない。単に乗り継ぎである。入国するならエチオピアのコロナ対策に従わなくてはならない。隔離は1週間だった。トランジットの場合はそれもない。その代わり、ホテルから街に出ることはできない。滞在時間は10時間ほどだが、ある意味、隔離でもある。

 トランジットホテルに訊いてみた。

「ホテルの周りを、5分ぐらい散歩するのはいいですよ」

 なんだか得をしたような気分だった。

 東京からは夜行便だった。少し寝て、ホテル周辺を歩いてみた。新型コロナウイルスを警戒する空気はどこからも漂ってこなかった。店はどこも普通に開いていた。ショッピングモールの1階にあるファストフード店には人が群がっている。支払いカウンターのあたりは密状態である。

 道行く人のなかでマスクをつけているのは、半分強といったところだろうか。ほぼ100%がマスクをつけている東京からやってくると、ここはもうコロナ禍が通り去ったような気になってくる。

空港から見える市街地。ビルのあるところがもう市街地だ。歩いても行けそう