熊本空港へ降り立つのはほぼ20年ぶりでしょうか。天草へ取材に出かけた折に立ち寄り、そのときは市内までは足を伸ばしませんでした。
 今回は夫婦3組での旅で、第1の目的は、島原のレストラン「ぺシコ」なのですが、4人は東京から飛行機に乗り、宮崎の2人は車で熊本までやってきて、熊本から島原へフェリーで渡ろうという計画です。
 熊本を通過するだけではもったいないということで、前日入りをし、熊本地震で石垣が崩れた熊本城が再建なったので、宿泊先の「ANAクラウンプラザ」前から市電に乗って出かけました。ホテルで、熊本城前の市庁舎最上階から城が眺望できるとのインフォをいただき、そこから城の全景、遠景をゆっくりと眺めました。観覧料は要らず、人もほとんどおらず、なんとも贅沢な時間を過ごしました。

 

熊本城の眺め

 夕食は、熊本と言えば「馬肉」ということで、馬肉専門店「菅乃屋」銀座通り店に出かけ、桜肉三昧です。馬刺しのほか串焼きはじめ、寿司までいただきましたが、最も人気があったのが「レバー刺し」でした。鮮度が第1のレバー刺しは、熊本ならでは。全員大満足でホテルに戻りました。

 

見事な馬刺し

 翌日昼前、熊本港から高速フェリーに乗船し、30分ほどで島原に着きました。これまでは、島原へは長崎空港からバスで諫早まで出て、そこから通称島鉄、1両の旅情あふれる島原鉄道に乗り、各駅停車の旅で1時間20分もかかりました。それに比べると、あっというまの島原です。
 まずは、ホテルの「シーサイド島原」へチェックイン、と言っても荷物だけ預けて、ホテルからタクシーで「ぺシコ」へ。車で来たのですが、お酒が飲めない人が出ては不公平なので、タクシーでの往復です。
 有明海が目の前の「ぺシコ」で昼食が始まりました。アミューズ(つきだし)の「エタリの塩辛バターと薩摩芋のタルトレット」は、かつて漁師だった古老からの話をもとに「片口いわしと薩摩芋」で作り上げたもの。
 

エタリ(片口いわし)の塩辛バターと薩摩芋タルトレット

 

  今、「食材探し」に懸命なシェフが多いなか、幼いころから育った島原の子供の頃を振り返り、「里浜ガストロノミー」と称して、里の幸と海の幸を皿の中で調和をとる「自分探し」に夢中になっている井上稔浩シェフの料理はとてもユニークで、舌ばかりか心まで存分に満足させてくれます。
「海底から」と名付けられた料理は、長時間かけて蒸し上げられた鮑を春菊のソースで取り囲んだ一皿。色鮮やかな盛り付けが目を引き、鮑と春菊という意外な組み合わせで「里浜ガストロノミー」を楽しませてくれました。

 

「海底から」鮑と春菊のソース

「ぺシコ」は、わざわざ出かけてゆくだけの旅をする値打ちのある1軒です。

 

井上稔浩シェフとご一緒に