■仕事があるから外国人も増えていく

 カストゥリさんのように自動車をはじめ、中古車や中古機器の輸出に携わるスリランカ人が、この県境地帯を中心とした北関東一帯には多い。もともとパキスタン人が始めたビジネスだといわれる。それが同じイスラム教徒のよしみでバングラデシュ人や、イスラム系のインド人、スリランカ人にも広がり、そこから仏教徒のスリランカ人にも伝わっていったのではないかと僕は考えている。

 彼らが扱う輸出品も、当初は中古車だけだったが、新車や工事用の作業車両、さらに医療機器や産業機械などにも拡大し、巨大な中古市場を形成するまでになった。その関連産業をはじめとして、「仕事がある」ことで外国人が集まってくる。

 加えて、古河もそうだがこの近辺は工業団地がたくさん集まっている。もともと古河は「生糸の町」とも呼ばれ、明治から昭和にかけて製糸業が栄えた地だ。これが基盤となって、近代的な工業地帯へと成長していったのだ。こうした工場でも、いまでは外国人が働く。さらに古河市は県内でも有数の農業地帯でもあるのだが、そこに近年になって技能実習生が流入している。そんなこんなで、この県境地帯では外国人の存在感が強いというわけだ。

 東京都内とはまた違った、こんな移民事情がなかなかに興味深く、最近は北関東をよく巡っている。

達者な日本語で商品の説明をしてくれるカストゥリさん

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