手間を惜しまずに小皿に一人分ずつ盛り付ける
ウェイターは赤白のタータンチェックのテーブルクロスの上にカラフルな小皿を一つひとつ丁寧に並べてくれた。まずトースト用の木製カッティングボードの上に、直径約7cmの丸い小さな薄水色のお椀を3つ並べ、それぞれに緑、黒、紫のオリーブが乗せられている。隣の藍色と白の格子の長方形平皿はカットしたトマトとピーマン、青唐辛子のサラダだ。

長さ20cmほどの薄水色のオーバルの平皿には二種類のハードチーズのスライスとストリングチーズ、さらに干しぶどうと干し杏。約7cmの正八角形の白い器には赤唐辛子粉とともに丸めてオリーブオイルでマリネしたチーズがちょこんと。その隣の直径約8cmの白の丸平皿には白チーズ、同じサイズの薄水色オーバル皿にはアジューカ(パプリカペーストとトマトペーストと胡桃、クミン、フェヌグリークのペースト)だ。


手前の白い長方形の2つ仕切り皿にはカイマック(沸騰した牛乳の膜を集めたクリーム)と蜂の巣がたっぷり。白い無地の長方形平皿の上にはトルコのレース編み物であるオヤが敷かれ、その上にやはり直径約7cmの丸い小さなお椀を4つ並べ、それぞれに自家製のりんご、人参、カリン、ビーツ、四種類のジャムが盛られている。


銀メッキされた真鍮のオーバルプレートには花形の素焼きの小鉢が3つ並び、イタリアンパセリとザータルのざくろ果汁濃縮ソース&オリーブオイル和え、塩漬けぶどうの葉のざくろ果汁濃縮ソース&オリーブオイル和え、カッテージチーズとイタリアンパセリとスマック和えという地元のハーブを使った和え物だ。前の2つは僕も初めて見るものだ。

この他、よく冷えたスイカのスライス、自家製のオレンジジュースや冷たい水、淹れたてのチャイが運ばれてきた。
パンは三種類あり、まずはトルコの定番、フランスパン状のエキメッキがカゴにいっぱい。全粒粉のパンは一切れだけ薄くスライスされて上に発酵バターの切れ端がドーンとのっている。そして、これも初めて見たが、正方形に切ったユフカ(小麦粉の薄い皮状の生地)を三角形に閉じて、油で揚げてある。アツアツのユフカの中には白チーズとパセリ。シガラ・ボレイ、トルコのチーズ揚げ春巻きのバリエーションだろうか。これで一人前。一つ一つのお皿は小さいのに、ここまで種類が多いと広いテーブルが埋まってしまった。

