文と写真/サラーム海上
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朝一発目から60年前の酵母でパン作り!家庭料理レストラン『エンギナレ』でエーゲ海料理を習う!【旅とメイハネと音楽と vol.92「トルコ・エーゲ海地方アラチャトゥの旅〈3〉」】サラーム海上
アラチャトゥの隠れ家的名店『アスマ・ヤプラウー』
2019年6月20日、日曜20時、アラチャトゥのエーゲ海料理レストラン『エンギナレ』での料理レッスン(という名前のお店の仕込み手伝い)を終えた僕たちは、別のレストラン『Asma Yaprağı(アスマ・ヤプラウー、ブドウの葉)』に到着した。
夕暮れ時のアラチャトゥ旧市街はちょうど原宿の竹下通りのように、大勢の観光客で混み合っていた。しかし一本裏通りに足を踏み込むと、メイン通りの雑踏が嘘のように静かだ。アスマ・ヤプラウーはそんな裏通りにあった。入り口をくぐると、広いパティオに白いテーブルと水色の椅子が並び、大きないちじくの木が日陰を作り、その三方を白塗りの壁に水色の木枠で飾った平屋が囲んでいた。まさに絵に描いたようなエーゲ海らしい隠れ家レストランだ。
そこでライターでイベントオーガナイザーの友人、イェトキンと再会した。イェトキンとはイスタンブルの友人ハッカン&アイリンを通じて知り合った。2018年1月には彼がハッカンたちと一緒に日本に遊びに来たので、毎晩のようにつるんで、下北沢のバーや高井戸の温泉にも案内した。彼は数ヶ月前からイスタンブルを離れ、アラチャトゥ近郊にある祖母から相続したリゾートマンションで暮らし始めていた。
再会を祝して地元ワイナリー、ウルラの白ワインで乾杯!




「シェレフェー! アルカダシュ(乾杯! 友達)。本当にアラチャトゥまで来てくれて嬉しいよ。明日は一日かけて、僕が大好きな場所を案内するから楽しみにしていて。その前にここは僕の一番のお気に入りの店なんだ」
「雰囲気が素晴らしいねえ」
「料理も本当に素晴らしいよ。今は観光シーズンで予約がなかなか取れないから、今日はラッキーさ。注文方法も変わっているんだよ。まず僕たちは今、注文の順番待ちをしているんだ。先に到着したお客さんから順番にキッチンに通されて、そこで目の前に並ぶ料理を見て、注文を決めるんだ。さあ、僕たちの番だよ!」
到着が早かったおかげで僕たちは10分も待たずに右奥の平屋に案内された。そこは一言「天国!」としか形容出来ない場所だった!
