テーブルに戻り、イェトキンとお互いの近況を話していると、5分ほどでカクテルグラスを大きくして平たくつぶしたような脚付きのガラスの器に盛り付けられた料理が次々と運ばれてきた。器は脚の高さが長短あり、テーブルに並べると高低差が付き、ちょっと変わったプレゼンテーションとなる。揃ったエーゲ海料理を自分のお皿に取り分けてから、いただきま~す!
②はザクサクとした食感のセイヨウイラクサの葉にねっとりと濃い味の黒オリーブが初めての味わい。
③のキュウリは2018年に訪れたサントリーニ島でも食べたものと同じ種類らしく、メロンに似た甘みがある。ブルグルとスペアミントを合わせてレモン、オリーブオイルで味付けするだけなので、日本に戻ってから再現してみよう。
④カバック・シンコンタはカボチャが甘くトロトロで、デザートにもなりそうだ。これも秋にバターナッツカボチャが手に入ったら再現しよう。
⑤アッケシソウとアーティチョークはメイハネでおなじみのオリーブオイル煮込み。両方とも日本では手に入りにくい野菜なので、アラチャトゥやトルコにいるうちにリピートしよう。




⑥そして今回一番気に入ったのがスベリヒユとイチゴと胡桃のサラダ。スベリヒユの多肉質と胡桃の食感の違い、そしてイチゴの濃厚な甘さの組み合わせが最高! 中東料理は果物を使った料理がやっぱりうまい。しかし、これは日本では再現が難しいかも。というのも、スベリヒユが旬の夏には、イチゴが手に入らないからだ。イチゴの代わりになるフルーツはなんだろうか?



⑱のマントゥは小ささを競うカイセリマントゥとは異なり、日本の焼売の1/4くらいの直径でそこそこの大きさがある。しかも天パンに縦横マトリックスに並べて、一旦カリカリに焼いたものの上に水切りヨーグルトをかけてある。肉たっぷりのシュウマイや餃子といった風情で、これはちょっとお腹に重かった。

そして最後に出てきたのが⑪熱々の揚げたてズッキーニの花のフリット。中に詰まっているのはカッテージチーズに似たチーズとハーブ。美味しいが、フランス料理のベニエのような分厚い衣が油っぽくてちょっと胃に重そうだ。
