文と写真・サラーム海上

 

 

アラチャトゥのビーチクラブと野外温水プール

 2019年6月21日月曜午前10時半、宿で朝食をすませた僕たちのところに、アラチャトゥに暮らす友人イェトキンが若い友人のアフメトを連れて現れた。

 「ギュナイドゥン(おはよう)。今日は僕が子供の頃から親しんでいるアラチャトゥとチェシュメの名所をいくつか案内するよ。水着とタオルとスマホを持ったら僕の車に乗り込んで!」

 アラチャトゥとチェシュメはトルコのアナトリア半島の西部の大都市イズミルからエーゲ海に向けて西に突き出したカラブラン半島と、そこから更に北へと突き出したチェシュメ半島に位置する。海岸は複雑に入り組み、それぞれの入り江ごとに景色も波の高さも水温も異なるビーチが点在しているそうだ。

 僕が初日に一人で訪れたウルジャ・ビーチは幅1kmにわたって砂浜が広がる公共のビーチだった。この日、イェトキンが最初に案内してくれたのはチェシュメ半島の北西部のアヤヨルギ・ビーチにあるプライベートのビーチクラブ、その名も『Paparazzi(パパラッチ)』!

 「物騒な名前だろ? 実際にこの地域はパパラッチの巣窟だったんだよ。アラチャトゥは昔からトルコの芸能人やスポーツ選手、セレブたちが夏の別荘を持っていて、秘密のパーティーなんかを開いていたんだ。そこに彼ら目当てのパパラッチたちも押し寄せていたんだ」

 月曜の午前中のためガラガラの駐車場から海岸に向かうと、だだっ広い半野外のレストランとBBQスペースがあり、海岸には浮き式の埠頭が突き出していて、その上に数十台のソファベッドとパラソルが並んでいた。

 先客の家族連れは一番海に突き出した場所のソファベッドを占拠し、若い男女カップルはお昼前にも関わらずビールワインを飲みながらスマホをいじっていた。BGMには小さめの音量でトルコのポップスが流れている。なるほど、ここなら荷物も置きっぱなしでも安心だし、一日中でもゆったり滞在出来そうだ。

 

アラチャトゥのビーチクラブ、パパラッチ

浮き式の埠頭に並ぶソファーベッドとパラソル。この日はお客さんが少なくて快適!

「アラチャトゥでは公共のビーチよりも、ファシリティやセキュリティがしっかりしたプライベートのビーチクラブを利用する人が多いんだよ。小さな湾ごとに別のビーチクラブがあって、それぞれ客層も違うんだ。この店はアヤヨルギでは最も古くからあって、年齢層は高め、週末はとても混雑している。今日は月曜なので人が少ないのはうれしいけれど、週末の直後なので水があまり澄んでいないね……」

 真ん中のソファベッド四つに陣取り、パラソルで日陰を確保してから海を見ると、色こそ明るいスカイブルーだが、確かに透明度は低い。スマホをソファベッドに置き、シャツを脱いで頭から海に飛び込むと、水温は高めだ。波もほとんどないので、プカプカと浮かんでいるのがちょうど良い。日本から持ってきた大型の浮き輪を膨らませると、アフメトがそれに乗って海に浮かんで、隣のビーチクラブまで漂っていった。