文と写真/サラーム海上

 

小さな町、ウルラのワイナリー訪問

  2019年6月22日火曜、アラチャトゥ滞在5日目。

 今回アラチャトゥに到着してから知ったのだが、イズミルとアラチャトゥの間にあるウルラという小さな町には近年になって始まった新たなワイナリーが8軒ほど立ち並び、トルコ人観光客の間で人気となっていた。

 僕たちもウルラ産のワインをいくつか飲んでみた。その中で「ウルラ・ワイナリー」と「ウスジャ・ワイナリー」のワインが気に入った。そこでこの日はタクシーをチャーターして、二軒のワイナリーを訪れることにした。

 調べると、ウルラは紀元前1000年頃に集落が出来、紀元前800年頃にはイオニア同盟の町、クラゾメナイとして栄えた歴史ある町だった。その後、紀元前383年にペルシャ帝国に併合され、後に古代ギリシャローマ、中世にはビザンチンを経て、セルジュクとオスマンの両イスラーム帝国の支配下に置かれ、ヴォウルラと呼ばれるようになった。現代ではウルラと改名され、大都市イズミルの郊外にある風光明媚な港町として知られている。

 この町とワインの関係は紀元前まで遡れ、歴史を通じてウルラはワインの港としてされてきたが、世界中のぶどう種を取り入れたり、トルコの古いぶどう種を復興して、新たなワインを造り、町のブランディングを高めたのは21世紀に入ってからのことらしい。現在では年間、約8万人の観光客がウルラを訪れ、ワインと美食を楽しんでいる。

 アラチャトゥの宿からイズミルへと向かう高速道路に乗り、40分ほどでウルラの町に到着した。高速を降り、ぶどう畑が続く丘陵沿いの細い道をくねくねと進み、10分ほどで広大な敷地のウルラ・ワイナリーが見えてきた。

 タクシーを降りると、真夏のエーゲ海の太陽がジリジリと暑く肌を刺してくる。目の前には横長の白いコンクリートの建物があり、その奥にワイン畑がハート型に広がっていた。平屋の建物には左側に事務所と売店、右側にワイナリー、そして客室が二部屋だけのラグジャリーなホテルが入っていて、二匹の白い大型犬が迎えてくれた。

 

ウルラの町で最初に向かったウルラ・ワイナリー。ワインのエチケットにも描かれたハート型に広がるぶどう畑

売店の入り口で二匹のおとなしい大型犬が迎えてくれた