いつも夕食と共にワインを飲んでいる。たいていは赤ワイン。

夏は氷を入れて、炭酸で割ったり、オレンジジュースを加えたり。秋に栗や柿を食べる際には白ワインやスパークリングワインと一緒に。冬は赤ワインにシナモンなどを加えてホットワインにするのもいい。
年中ワインを飲んでいるわりには、特に詳しいわけでもなく、ひたすら安いデイリーワインを飲み続けている。探究心はそれほどない。

そんな私だが、旅に出た日の夜は、その土地のお酒を飲むようにしている。ビール日本酒のこともあるけれど、ワインがあれば必ず飲む。さすがにフルボトルは無理だから、コンビニなどでミニサイズやハーフサイズが売られている場合に限られる。

池田牛とバナナ饅頭が有名な「レストランよねくら」は池田駅の目の前にある

つい先週、北海道を半周してきた。 

まだ現地で食べていない駅弁や駅そばを巡ることが目的で、中でも根室本線池田駅前にある「レストランよねくら」の駅弁「牛のワイン漬ステーキ便當」が一番の目当てだった。

池田町といえば十勝平野の真ん中、ワインで有名な町である。ステーキの駅弁自体が全国でも珍しい上、ワイン漬けというのはこちらにしかない。まだ食べたことのない駅弁に期待が高まった。

ちなみにこちらの駅弁は、駅から出ずとも池田駅を発着する列車に合わせて列車まで届けてもらうことができる。とはいえ今回は、池田の町も見てみたかったので、ちゃんと降りて買いに向かった。

池田駅前には大きなコルク抜きのオブジェが燦然と輝いていた。

事前に予約していたので、受け取りは滞りなく済む。こちらにはバナナ饅頭という、これも鉄道菓子として有名なお菓子があるが、もちろんこれも同時に買う。

その後、道路を挟んで向かいにある和田ワイン店にも寄ってみた。

十勝ワインの山幸(やまさち)ハーフボトル

和田ワイン店には、十勝ワインがたくさん揃っていた。やはり地元のものは地元で。

メルローなどの重めのものがいいと伝えたところ、山幸(やまさち)という十勝ワインを勧められる。ハーフサイズがあったので、それを買って、意気揚々とホテルに戻った。

 

「牛のワイン漬ステーキ便當」と「バナナ饅頭」。便當は、以前は箱に入っていたが、半年前から掛け紙になった。絵は変わらず電気機関車が牽引する客車列車が描かれている
「牛のワイン漬ステーキ便當」中身。ステーキのオリジナルソースは別途ボトルに入っている

初めてのご対面。ボトルに入ったデミグラス風のソースをかけて、まずはステーキをひと口。ミディアムに焼かれ、多少赤みの残る肉は非常にやわらかい。そして肉そのものの甘みもじゅわっと口に広がる。これが駅弁か、と驚いた。

ワイン漬け、と書いてあるが、それほどワインは感じない。聞くと、ワインに軽く漬けたお肉を焼いて、更に最後にフランペしているそう。もちろん使われているのは十勝ワインだ。
付け合せのナポリタンやフルーツの懐かしい味わいに、野菜も新鮮でシャキシャキとして非常においしい。これが駅弁か、とまた驚いた。

先程買ってきたワインもこの駅弁に非常に合う。なんという贅沢な時間だろう。高級なレストランでなくても、ホテルで買ってきた駅弁をいただくこのひとときは幸せだ。

十勝ワインのデイリーワイン・トカップのミニサイズ(200ml)はこの辺りのコンビニではたいてい置いてあった。プラカップは100円ショップで。台座とグラス部分は分解できる

ところで旅先でワインを飲むのがわかっている場合は、邪魔にならない程度の小さなプラカップを持っていく。今回もこれを持ってワインに臨んだ。やはり湯呑でワインを飲むより、こういうもので飲んだ方がおいしく感じる。食べる時の演出も大事である。

最近は国内旅行がほとんどだが、鉄道旅が好きなのは、お酒と相性がよいことも多分にある。これからも列車旅を楽しみながら、車窓を肴にお酒との旅を愉しみたい。