「えっ!? 飛行機が飛ばない?」

 

「そんなことって……」

 

 私と担当編集Iさんは、成田空港のチェックインカウンター前で、しばし呆然と立ち尽くしていた。

 

 ときは2016年12月初旬。
 2016年3月下旬に敢行した最初のアポなし突撃旅では、現地に着いた翌日、本命ムヒカに会って話を聞くことができた。欲を言えば、数日間の滞在中にもう一度くらいは取材したかったけれど、結局、再度会うことは叶わなかった。しかし、「一度とはいえ、突撃で会えただけでも幸運じゃないか」と己を励まし、私たちは、〝凱旋帰国(一応、そういうことにしただけですが)〟した。

 

2016年3月の突撃取材旅行から帰国して書き上げたムヒカ本第二弾。改めて見てみると、4月に帰国して9月の頭にはもう刊行されている……。一見、余裕があるように思えるかもしれないけれど、これ、鬼のようなタイトなスケジュール。〝大人の事情〟で発売時期は後ろにずらしてもらえませんでした……(泣)。

 

 それからおよそ8か月後。
 私は再びIさんと共にウルグアイを訪れることになった。初回の訪問取材を元にしてムヒカ本第二弾を書き上げ、次に妻のルシアの半生を描く作品を書こうとしていたのだけれど、その取材のためだ。

 今回は、前に通訳を務めてくれた森さんがコーディネーター役も引き受けてくれて、比較的早い時期から、現地で着々と取材の準備を進めてくれていた。
 ルシア本人の取材は秘書を通して、早々と承諾が得られていたし、彼女の関係者にも続々とアポが取れていた。そんな中で、ルシアの最強の関係者であるムヒカだけは前回同様にアポが取れていなかったのだけれど、成功体験もあることだし、森さんも「まあ、大丈夫でしょう」と、ラテンのノリだった。


 ということで、私たちは、性懲りもなく、〝ホセ・ムヒカ突撃again〟に挑もうとしていた。


 しかし、機体故障だかなんだかで欠航だかどうとかで、私たちは、乗る予定だった旅客機に乗ることができないことを知らされたのだった……!!