屋台メシで嬉しい食い倒れ

 

   目に付くものはどれもこれも欲しくなってしまう衝動と闘いながらマーケットを練り歩き、そろそろお腹も空いてきた。クリスマス・マーケットの会場には、郷土の味が手軽に楽しめる屋台もたくさん出ているので、食事の心配は無用。広場の中央には焼き立てのブレッツェルやシュトゥルーデル、スパイスの効いたホットワイン、チロルやバイエルン地方の郷土料理やビールなど、目移りしそうな程バラエティに富んだメニューが集まっている。ランチは立ち食いで軽く済ませようと思っていたのだが、この中から一品だけに絞り込むのはかなり難しい。悩みに悩んだ末、今が旬のフレッシュなポルチーニ茸と鹿肉の煮込みのポレンタ添えをまず味わってみることにした。長時間かけて赤ワインでトロトロに煮込んだ鹿肉はハーブの香りととろける様な柔らかさで自然と笑みがこぼれてくる。そして旬の生のポルチーニ茸は、もう言葉に尽くせないほど芳醇な味わいで、思わず目を閉じてその滑らかな舌触りと口中に広がる森の香りに酔いしれた。

 

   お腹も心もあったかくなったところでマーケット散策を再開し、クリスマスのショッピングを楽しんだ後は再び屋台の味巡り。果汁たっぷりのホット・アップルジュースで体を温め、さらに本場のウィンナー・ソーセジとクラウト、マスタードたっぷりのホットドッグを平らげた。屋台グルメの数々に嬉しい悲鳴をあげながら、マーケット巡りを存分に満喫した。

 

ブレッツェルやビール、ホットワイン、ザッハトルテにシュトゥルーデルなど、ドイツ風の郷土の味がたくさん集まっている(上)。昼間からビールやワインを片手に屋台メシを楽しむ人々で賑わっていた(中上)。レストランも顔負けの本格グルメ「ポルチーニ茸と鹿肉の煮込み、ポレンタ添え」。10ユーロちょっとで大満足の食事が楽しめる(中下)。手作りウィンナー・ソーセージとクラウトのホットドッグも絶品だった(下)