クリスマスムードをたっぷり満喫できるトレンティーノのクリスマス・マーケットはしご旅。イタリア最大のクリスマス・マーケットが開催されているトレントを訪れた後は、隣街のロヴェレートへ。イルミネーションに彩られた夜の旧市街散歩から前衛アート鑑賞まで、意外な発見に出会える北イタリアの小都市をご紹介しよう。
小さな旧市街にあふれるクリスマス・イルミネーション
トレントから各駅電車で一駅、ロヴェレートに着くと日はとっぷりと暮れていた。ホテルに荷物を置いて旧市街へ繰り出すと、小さな通りも広場も、色とりどりのイルミネーションに輝いている。マイケル・ブーブレが歌うクリスマス・ソングがBGMに流れる街角は、早くもクリスマスがやってきたよう。地図も持たず、ライトアップに惹かれるまま通りを歩いて行くと、黒山の人だかりができている広場に出た。どうやら飲食の屋台が集まっているらしい。夜になって体も冷えてきたので、名物のホットワイン「ヴィン・ブリュレ」を飲んであったまることにした。重厚な赤ワインにシナモンや丁子、オレンジピールなどのスパイスと砂糖をたっぷり入れたヴィン・ブリュレは冬には欠かせない飲み物。火を通しているのでアルコール度は低く、体の芯から温まるため風邪の予防薬としても重宝されている。この一杯で元気を回復し、再び通りを歩き出す。
トレントに比べ街の規模が小さいロヴェレートでは、旧市街全体がクリスマス・マーケットになっていた。通りや広場にはさまざまな屋台が出ていて、食べ歩きをしながらショッピングも楽しめるようになっている。屋台やショップをのぞいて見ると、工芸品やギフト用品、デコレーション用品など売られているアイテムの種類は他の街と同じだが、品物は一つ一つ異なっている。ハンドメイドの品が大半で、出店している職人さんの個性が光る品々をじっくりと見比べながら、
自分好みの一点物を探し歩く。大型チェーン店では絶対に見つからない味のあるギフト用品が格安で買えるのだから、財布の紐が自然と緩んでしまうのは仕方がないことだろう。




