鹿肉の旨み、赤ワインの酸味、コンソメの風味が一体となったスープ

 連続でミシュランの二ツ星を獲得しているフレンチの名店。
「技術は素材を超えられない。いい素材を集めることが大事」と語るのはオーナーシェフの谷昇さん。
 

 料理に使われる素材は全国から直送。釧路から仕入れるエゾ鹿は、ライフルで頸動脈をめがけて一発で仕留める。動脈や静脈を撃たない分、血がまわらず内臓処理も素早く、肉質がクリアになるとか。乳牛を育てている酪農家が、害獣駆除として鹿を撃っているので、通年入手が可能。夏と冬では食べるエサが違うため、夏は焼き、冬はスープと調理法を変えている。
 エゾ鹿のほか西伊豆の猪は罠猟、宮城の青首は網猟で獲る“名人”とやりとりし、送ってもらう。

 

「自分ができないことをやってくださっているから、素材の扱い方はスタッフに厳しくいいますよ」
 人も素材も大切に。感謝の念が込もった料理を味わってほしい。

 

「エゾ鹿のコンソメ ポワブラード」

コースの中の一品。鹿肉の旨み、赤ワインの酸味、コンソメの風味が一体となり飛び込む。付け合わせは「エゾ鹿の生ハム」。ねっとりしたロースから甘みを感じる。写真はイメージ。実際はカップに入れて提供される。
寸胴鍋にエゾ鹿のスネ肉15kgを入れ、12ℓの赤ワイン、1ℓの赤ワイン酢で約1日半煮込む。ダシをとったスネ肉は一品料理として使われる。
ジビエに合う赤ワイン。左が’04コート・ ロティ・ラ・ランドンヌ、右が’12フォジェール・ジャティス。価格は時期によって変動あり。
谷昇シェフ。店は’94年にオープンした。
店内は2階のテーブル席14席。メニューはシェフのおまかせコースのみ。