5 : コロッセオ

 クリスマス・イルミネーション巡りの終点はコロッセオ。ヴェネツィア広場からフォロ・ロマーノを歩き、目指すコロッセオに到着して拍子抜けした。いつもならコロッセオ前の広場に大きなツリーが出ているのに、今年目にしたのは「メトロC線工事中」の看板。ずっと長い間、開通するすると言われながら一向に進展していなかったメトロC線の工事だが、ロックダウンや移動規制が敷かれて観光客がいなくなった今年は工事がスイスイ進んだ。コロッセオ駅の工事は難関中の難関だが、今年は災い転じて絶好のチャンスとなり、工事も着々と進行している。巨大ツリーは拝めなかったが、代わりにコロッセオの窓枠アーチ内にオリジナル彫刻の立体映像が浮かび上がるライトアップが登場。キラキラに飾らなくとも十分見応えのあるイルミネーションが楽しめた。
 ローマ旧市街には上記以外にもナヴォーナ広場、ポポロ広場など各所でクリスマス・イルミネーションを展開している。Webカメラを設置した世界各地の観光スポットのライヴ映像が見られるアプリやサイトもたくさんあるので、それらを活用してぜひ今年のローマのイルミネーションを体験してみて欲しい。そして一人でも多くの人が、少しでも明るい気持ちで新しい年を迎えてくれることを、心の底から切に願っている。

 

メトロC線の工事が進むコロッセオ前の広場。いつもならツリーが置かれる場所に、今年はクレーンがいた。コロッセオ前には「メトロC」がスポンサーとなっているちっちゃなツリーが申し訳なさそうに光っている。
クリスマス・イルミネーションの代わりに目を引いたのがオリジナルのコロッセオに置かれていた窓枠の大理石像の3D映像。暗い夜空の中に浮かび上がる彫像はまるで本物のように見える。キラキラはなくてもそれだけで圧巻の美しさを誇るコロッセオの勇姿はさすが。

「ブーツの国の街角で」vol.84(2020.12)