文/チョン・ウンスク

 

 済州(チェジュ)の東に牛が横たわっているような形の島、その名も牛島がある。

 一周17キロの小さな島だが、もっとも済州らしい風光をもち、済州のなかの済州と呼ばれている。韓国の他の地域ではなかなか見られない空や海の色、火山岩を積み上げた石垣など、絵になる場所が多く、多くの映画やドラマが撮影されている。

 筆者一番のお気に入りは、2004年に韓国で公開された映画『初恋のアルバム~人魚姫のいた島~』である。劇中、主人公ナヨン(チョン・ドヨン)が、海女で生計を立てている20歳の母ヨンスン(チョン・ドヨンの1人2役)と出逢ったのがこの牛島だ。

牛島と城山浦を行き来する旅客船の甲板から済州本島を望む

■城山浦港から牛島へ

 牛島は本島周辺の62の島々のなかではもっとも大きいとはいえ、面積は5.9平方キロメートル、南北の長さ3.5キロ、東西2.5キロしかない島だ。本島の城山浦港から北東3.5キロ辺りに位置している。

 城山浦港総合旅客ターミナルを出発した牛島行き旅客船が動き始める。ハウモク洞の港まで20分足らずの船旅だ。

 船がハウモク洞港に到着すると、人と車が吐き出される。

 牛島に初めて行ったのは映画が公開された2、3年後で、当時は観光客も少なかった。その後、三度訪れたが、行くたびに観光整備が進んでいる。今回は週末ということもあり、客待ちしているおもちゃのような電気自動車が目立っていた。

牛島で船を待つ観光客。ここ数年、訪れる観光客が増え続け、入島制限も検討されている

 島巡りには、いくつかの選択肢がある。自家用車、観光バス、電気自動車やスクーター、自転車、マウルバス、循環バス、徒歩などだ。初めてなら海岸道路に沿って主な観光スポットを回る「海岸道路循環マウルバス」を利用するとよい。

 私も今回初めて「海岸道路循環マウルバス」に乗った。 牛島出身の運転手さんがマイクで主な行き先を説明してくれる。バスが牛島を一周するのに1時間ほどかかる、お客さんはチケット1枚で乗り降り自由。いわば乗り放題だ。

 牛島一周チケットは6000ウォンで、奇数日付には反時計回りで、偶数日付には時計回りで循環する。